【NBA】見慣れない顔ばかり。新生レイカーズは問題山積? (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko photo by AFLO

 また、コービーやパウ・ガソルのようなオールスター選手を含め、以前から所属している選手たちも、ほとんど今シーズン末で契約が切れる。現在のレイカーズのロスター(登録選手名簿)で来シーズンも契約が保証されているのは、昨季からレイカーズに加わったナッシュと、この夏に3年の契約延長に合意したロバート・サクレ、そして夏に2年契約を交わしたニック・ヤングの3人だけなのだ。

 これは、偶然ではない。今季からラグジュアリータックス(ぜいたく税)のペナルティが厳しくなることや、数年後のブライアント引退を見越して、チームをリセットしやすいよう数年前から計画的に進められてきた。来年夏、大きく空いたサラリー枠と、レイカーズという名門ブランドを武器に、コービー後のレイカーズを担う、フランチャイズプレイヤーとなるような大物獲得を狙うという作戦だ。つまり、今季は再建への道を踏み出す前の、過渡期のシーズンなのだ。

 ちなみにこれは、昨年の夏にドワイト・ハワードを獲得する前からの計画で、今夏にハワードと再契約できれば彼を大黒柱にして、来年夏にさらに1、2人のスーパースター選手を獲得するというシナリオだった。だが、ハワードがヒューストン・ロケッツと契約したことで、新たな大黒柱を探すことになったのだ。

 とはいえ、引退間近と言われているものの、常に優勝を狙っているコービーがいる限り、たとえ過渡期でも勝つことを切り捨てるわけにはいかない。それがレイカーズとしての誇りであり、同時にジレンマでもある。

 今シーズンを前にブライアントは、「僕はレイカーズとして生まれた。死ぬまでレイカーズでいたい」と、残留希望のコメントをしている。レイカーズ側も、チームオーナーのひとりであり、バスケットボール運営部門の最高責任者でもあるジム・バスが、「コービーがフリーエージェントになることはない。彼との再契約はチームにとって一番の優先事項」と、10月末に語っている。実際、すでにレイカーズとコービの代理人との間では、契約延長についての話し合いが始まっているとも伝えられる。さらにジム・バスは、「コービーはレイカーズのレジェンドであり、この先もそれは変わらない。まだこの先、彼とともに優勝できると思っている」とも言っていた。

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