2013.11.06

【NBA】マイアミ・ヒート、スリーピートの可能性

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi 是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo, AFLO

レブロン・ジェームズの安定ぶりに驚きを隠せない佐古氏 今後、ヒートと対戦するチームは、どの場面でレブロンをマークするのか、その瞬時のタイミングがカギになるのではないでしょうか。全クォーターでレブロンを囲い込むのは、いまや不可能です。「前半は仕方ないからマークを弱めよう」「後半ラスト5分を切ってから抑えに行こう」というように、レブロンの扱い方を臨機応変に変えていかないと、すぐに戦術を読まれて反撃を食らうと思います。それぐらい、今のレブロンは高いレベルに達していると言えるでしょう。

 一方、ビッグ3のひとり、SGドウェイン・ウェイドの今シーズンの状態にも注目してみました。昨シーズンからウェイドの衰えを懸念する声は聞こえていました。しかし今のヒートは、ウェイドの爆発力に頼らないと勝てないチームではないと思います。フォア・ザ・チームの理念がしっかりと固まっているので、もしウェイドの調子が悪いなら、センターのクリス・ボッシュ、あるいはバティエやアレンというように、周囲のサポートによって得点を奪うことができます。また、ウェイドが相手のマークを引き付けることで、チャンスを生み出しているシーンも多く見受けられました。パッサーとしての能力も高いウェイドがコートに存在するだけで、その価値は十分あると思います。

 また、ディフェンス面でも、今のヒートに大きな穴は見当たりません。インサイドの弱さを指摘された時期もありましたが、今シーズンを見ていると、インサイドを押し込まれたときは、すぐにクリス・アンダーセンやユドニス・ハスレムといったセンターをコートに投入。ゲームが荒れないように、早めにインサイドをしっかりと固めようとするのです。その投入するタイミングが、非常にいい。そして、自分たちの流れが来たら調子の良い選手を軸に、一気に畳み掛けるのです。エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は、「こうすれば必ず勝てる」というパターンを掴んでいるのではないでしょうか。同時に選手も、こうすれば勝てるという戦術を理解して動いているようです。まだシーズン序盤というのに、ここまでチームとして完成しているなんて、正直とても驚きました。