2013.09.10

【NBA】デリック・ローズが語る「リハビリ、震災復興、そして新シーズン」

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro 高須力●撮影 photo by Takasu Tsutomu, AFLO

東日本大震災の被災地・仙台にてクリニックを開いたローズ。その思いとは?――新シーズン(10月29日開幕)の目標についてお聞かせください。

ローズ チャンピオンになること。それは、自分だけのゴールじゃない。チームのゴールだ。そのために、ゲーム全体をコントロールしたい。俺はポイントガードだから、ボールに触る回数が多い。俺のパフォーマンス次第で勝敗が決まる。

――もし優勝すれば、ブルズにとって16年ぶりの優勝になります。

ローズ 1度だけ優勝したいんじゃない。何度も優勝したいんだ。そのために努力をしているし、どんな犠牲も払う覚悟がある。俺にとって、バスケットボールはすべてだから。強い意思がなければ、次のステージにはいけない。

――昨シーズンを制したマイアミ・ヒートはもちろん、今オフにはブルックリン・ネッツ、ニューヨーク・ニックス、デトロイト・ピストンズなどのチームが十分な補強をしています。イースタンカンファレンスは強豪ぞろいですが?

ローズ 毎試合、どのチームが勝ってもおかしくないし、エキサイティングなシーズンになるのは間違いない。ただ、ブルズが一番だ。選手も、コーチも、ルーキーも、いいピースがそろっている。しかも、コアメンバーはこの3年間、変わっていない。その差が、最後に表れるはずだ。

――先日、CNNの番組に出演し、「世界最高の選手は誰か?」という質問に対し、「デリック・ローズ」と即答しました。その思いは変わりませんか?

ローズ もちろん。NBAに入る前なら、誰かの名前を挙げていただろう。しかし、プロアスリートなら誰しも、「自分がナンバー1だ」と考えるべきだ。

――ローズ選手の身長(191センチ)は、NBAの世界では小柄な部類に入ります。210センチを越えるディフェンスの中に飛び込んでいく時、恐怖を感じたりしませんか?

ローズ 恐れる必要はない。俺がNBAに入れたのは、このドライブがあったから。常にアグレッシブでいなければいけない。

――ディフェンスをかわして空中に飛び上がった瞬間、どんな景色が見えるのでしょうか?

ローズ 何本ものディフェンスの腕。そして、興奮する2万人の観客。観客がどんなフィニッシュを期待しているのか、俺には分かる。

――何人ものブロックをかいくぐる姿は、周囲がスローモーションに見えているのではないかとさえ思います。

ローズ そんな風には見えないよ(笑)。ただ、バスケットボールはリアクションのスポーツ。「ディフェンスがこう来たら、こうする」なんて、考えすぎちゃダメだ。

――つまり、理屈ではなく本能でプレイしろと?

ローズ イエス。ドライブ中、気づけばディフェンスを抜き去っていて、「俺って、こんなに速かったのか!」って感覚になる時すらある。