【NBA】今季大ブレイク。父親譲りの新星シューター現る! (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

 デビッドソン大に進学したカリーは、1年次から頭角を現し、数々の個人タイトルを獲得。そして3年生終了後、2009年のドラフトにアーリーエントリーした。そして、ウォリアーズから全体7番目で指名を受けて入団。カリーは今年でプロ4年目の25歳である。

 だが、学生のような童顔や、2世プレイヤーの肩書に騙されてはいけない。カリーは見かけ以上に芯が強く、タフで、自信にあふれた選手だ。ケガに悩まされ、3年間で15回の捻挫と2回の手術を経験したときも、そのために伸び悩み、「NBAでやっていけるのか?」と疑問視する声が大きくなっていた間も、選手としての自信を失うことはなかったという。

 そして今季、ようやくケガを克服すると、一躍、ウォリアーズのエースとして大ブレイク。2月27日、カリーはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで、ニックス相手に13本中11本の3ポイントシュートを沈め、今季リーグ最多となる54得点を挙げた。そしてその1ヵ月半後、今度はロサンゼルスのステイプルズセンターで、レイカーズ相手に15本中9本の3ポイント決めて47得点と大爆発している。シーズン通算でも3ポイントシュートを272本成功させ、レイ・アレン(マイアミ・ヒート)の記録を抜いてNBA新記録を樹立。まるで、自分をオールスターに選ばなかった他チームのコーチたちに実力を証明してみせるかのような、シーズン後半の大活躍だった。

「毎試合、同じようなプレイができるように準備しているんだ。マディソン・スクエア・ガーデンやステイプルズセンターでの試合が全米放映だからといって、興奮しすぎないように、全部の試合が同じだという心構えでやっているから。常にアグレッシブに、気持ちが折れないように、そして勝利に貢献するようにと心がけて......。シュートが決まり始めて会場がざわついてくると、それが僕自身のエネルギーになるんだ」

 ウォリアーズは競争の激しいウェスタン・カンファレンスにおいて、第6シードでプレイオフに出場。現在、第3シードのデンバー・ナゲッツと1回戦を戦っている。カリーにとって初の、そしてウォリアーズにとって6年ぶりのポストシーズンだ。

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