【NBA】ノビツキーが「うっとうしいヒゲ」を剃れない理由 (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 ただでさえ優勝を狙うには戦力不足なところに、開幕からエースのノビツキーが故障で27試合欠場した。昨年12月下旬に復帰したものの、ノビツキーも、チームも、本調子をつかむのに予想以上の時間がかかった。そしてそのツケは、接戦となった試合での勝負弱さに表れている。マブスは開幕から75試合のうち、オーバータイム(延長戦)にもつれる接戦を10試合経験しているが、そのうち勝ったのはわずか2試合だけだ。

「この2週間ほどは少し良くなってきたけれど、とにかくシーズンを通して、試合終了前の2分間の緻密さが問題なんだ。その結果、僅差の試合を多く落としている」と、ノビツキーは言う。

 接戦を落とすたびに、ヒゲを剃る日が遠のいていった。それでも、シーズン後半には少しずつ勝ち星を増やし、3月26日、ロサンゼルス・クリッパーズ相手にオーバータイムの試合を制すると、ようやく勝率5割の一歩手前までたどり着いた。

 あと1試合勝てば勝率5割に戻り、うっとうしいヒゲを剃ることができる。2日後のホームゲームでは、馴染みの理髪店に試合のチケットを与え、試合後、選手を集めてヒゲを剃る予定にしていた。

 しかし結局、インディアナ・ペイサーズに78対103で惨敗。翌々日のシカゴ・ブルズ戦でノビツキーが決勝シュートを沈め、再び5割の一歩手前に戻ったものの、ロサンゼルスで行なわれたレイカーズ戦、デンバーでのナゲッツ戦に連敗。またも、ヒゲを剃る日が遠ざかった。

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