【NBA】残り20試合、レイカーズの巻き返しに期待大

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • photo by AFLO

 そして、ウェスタン・カンファレンスの順位で一番気になるのは、やはり名門レイカーズです。NBAでも屈指のスーパースターが揃っているので、正直、プレイオフには出てほしい。残り約20試合で、どういう風に流れが変わっていくのか、毎試合、目が離せません。ただ、前半戦と比べると、今のレイカーズは良くなったと思います。試合に負けることも多々ありますが、オールスター前の負け方とは少し違うように感じました。以前なら、接戦の大事なところでスティーブ・ナッシュがボールを長く持ったり、ドワイト・ハワードがゴールに突っ込んだりと、模索しながらのプレイが多く見られました。しかし今は、「必ず一度はコービー・ブライアントのところにボールを収めよう」という形が、チーム内に出来つつあるのです。しかも、パウ・ガソルが故障してハワードのワンセンターになったことで、コービーにとってやりやすいスペースが生まれるようにもなりました。均衡したゲームにおいて、コービーにボールが集まることは良い兆候だと思います。これがハマると、レイカーズらしい怒涛の連勝が再び見られるのではないでしょうか。

 7位のジャズと8位のロケッツの勝率はほぼ同じなので、9位のレイカーズとの差は2.5ゲームしかありません。シーズン終了まで20試合以上あるので、レイカーズが少しでも連勝すれば、ジャズやロケッツは勝率5割のペースでも危ないと思います。個人的には、レイカーズが8位に食い込み、プレイオフ1回戦で1位のスパーズと戦ってほしいですね。スパーズはレギュラーシーズンで圧倒的な強さを見せるものの、ここ3年ぐらいはプレイオフで好成績を残せていないんです。一昨年も1位でプレイオフに進出しながら、8位のグリズリーズに1回戦で負けています。よってレイカーズが8位に食い込んでくれば、再びアップセット(番狂わせ)が見られるかもしれません。

 順位がひとつ違うだけで、プレイオフの展開はまったく違うものになります。プレイオフ当確ラインの攻防だけでなく、上位チームの順位の変動にも、ぜひ注目してください。残り約20試合、どのように順位が動くのか、今、それを考えるのが一番面白いですね。

※順位は現地3月3日現在

取材協力:WOWOW
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プロフィール

  • 佐古賢一

    佐古賢一 (さこ・けんいち)

    1970年7月17日生まれ、神奈川県出身。179cm/ポイントガード。北陸高→中央大→いすゞ自動車→アイシン精機。日本を代表する司令塔として活躍し、『ミスターバスケットボール』と呼ばれる。的確な判断力と要所の得点力で、JBLリーグ優勝9回、全日本選手権優勝12回を果たす。2011年に現役引退。
    WOWOW(http://www.wowow.co.jp/sports/nba/)でNBA解説など活躍の場を広げている。現在はJBA理事ナショナル男子を担当。近況はコチラ

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