2013.02.19

【NBA】36歳のビラップスがクリッパーズに欠かせないワケ

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • photo by AFLO

自身の経験を振り返りながらベテランの必要性を語る佐古氏 この役割は、ヘッドコーチでは務まりません。ヘッドコーチと選手の間には、立場上、どうしても溝があります。しかし選手同士なら、練習場や試合だけでなく、いろんな場所でチームメイトと接点を持てるので、食事に連れて行って相手のストレスを取り除くこともできるでしょう。僕も現役時代終盤、同じような立場だったのですごく理解できます。たとえば、試合に負けてチームメイトが言い争っていると、不協和音の前兆というものが分かるんです。「昔もこんな感じで崩れていったな......」というふうに。だから問題が大きくなる前にチームメイトを食事に誘って、いろんな話を聞いてあげたりしました。

 大ベテランのビラップスは、クリッパーズでの役割をしっかり理解しているはずです。また彼自身、今シーズンの目標は、「試合に常時出場すること」ではないでしょう。最終目標は、間違いなく「優勝すること」です。よって、若い選手を蹴落として潰してやろうという気持ちもありません。そんな立ち位置だからこそ、チームメイトもビラップスの言うことを素直に受け入れるのだと思います。僕も現役最後のころは、自分を前面に出さず、チームメイトをまとめて能力を伸ばすことで、優勝に近づくことができました。僕に優勝経験があったからこそ、不協和音が起きそうなときもチームメイトを説得できたと思います。

 今シーズン、ケガを負ったC・ポールがしばらく戦列を離れていたのも、ビラップスのアドバイスがあったからなんじゃないかと思っています。選手にとって「休むこと」は、正直怖いものです。ましてやヘッドコーチに「休め」と言われれば、「放出されるんじゃないか?」「別の選手を育てようとしているのでは?」と勘繰ってしまうものなんです。しかし、ビラップスに「お前が必要だから、優勝するためには、今、しっかり休んで、100%の状態で帰って来い」とか言われると、すんなり納得できると思います。また、昨シーズンまで試合に出続けていたグリフィンも、今シーズンになって休養を取るようになりました。どんなに無理しても出場してきたグリフィンが休むなんて、ビラップスの言葉がなければあり得ないでしょう。

 これらの話はあくまで僕の推測ですが、それぐらいビラップスという選手はクリッパーズに欠かせない存在なのです。果たして今シーズン、僕のイチオシであるクリッパーズが優勝できるのか、後半戦も追いかけたいと思います。

※記録は2月18日現在


取材協力:WOWOW
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