2013.01.03

【男子バスケ】ケガから復帰。田臥勇太「もう一度、NBAの舞台へ」

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Sportiva

リハビリ中も毎試合NBAをチェックし、トッププレイヤーの動きを研究している田臥勇太――そして元日から、天皇杯が開幕しました。ブレックスは1月4日の3回戦からの登場となります。

田臥 チームとしてはベスト8の壁を破りたいですね。ただ、高校(能代工業)時代を思い出せば、高校生や大学生のチームは、JBL陣に負けても失うものはない。迎え撃つ立場になると難しい大会ですね。

――その後、1月26日からはシーズン後半戦も始まりますが、今後のテーマはなんですか?

田臥 復帰に時間がかかり、チームにもファンの方にも迷惑をかけたので、スタートダッシュを決めたいです。現在リーグ7位ですが、前半戦の最終戦では1位のアイシンシーホースに勝っています。まだコンスタントにチームが力を発揮できないのですが、可能性は秘めているチームなので、プレイオフ(レギュラーシーズン上位4チームが出場)に滑り込めれば面白いと思います。そのためにも、『出し切る』が後半戦のテーマです。

――すると、シーズン終了後の今夏、再渡米の可能性もあるのでしょうか?

田臥 キャンプでもサマーリーグ(※1)でも、声がかかれば必ず行こうと思います。サマーリーグには最悪でもトライしたいですね。ワークアウト(※1)の場だとか、あの雰囲気を肌で感じたいです。

(※1)サマーリーグ=夏季に開催される非公式の試合。ワークアウト=練習、トレーニング。

――つまり、NBAは今もその視界に入っている?

田臥 もちろん。他の日本人選手も自分が引っ張っていきたいんで、チャレンジし続けたいです。何が起こるかわからないのが、アメリカの良さというか。それは、どの選手にも当てはまること。だからこそ、やり続けられるんだろうなと思います。

――復帰後の4試合、田臥選手がボールを持つと、会場がざわつきます。「何かやってくれる」という観客の期待は感じますか?

田臥 プレイ中は感じませんけど、そうであり続けたいなと思っています。ワクワクさせたい。「どれだけ多くの人間をワクワクさせられるか」というのは目標だし、大事にしている部分なので。派手なことしたいってことは全然ないんです。ただ基本的に、他の選手と同じようなプレイはしたくないですね。ひとりだけ違うみたいな。良いにしろ、悪いにしろ、ミスをしようがしまいが。普通の人はこっちを見ているけど、俺はこっちを見ている。そういったちっちゃい事の積み重ねが、面白いパスにつながるんで。最近、NBAを見ていると、リッキー・ルビオ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)のプレイが面白くて。

――『スペインの至宝』と呼ばれる、パスの名手ですね。

田臥 ルビオは靭帯断裂から復帰したので、それも重ねて見ているんですけどね。クリス・ポール(ロサンゼルス・クリッパーズ)も、スティーブ・ナッシュ(ロサンゼルス・レイカーズ)もそうですけど、特にルビオは見ていて、「何するんだろう」って思わせてくれるので。

――特に、ルビオ選手のプレイのどんな部分を注視していますか?

田臥 パスを出すことを、どの時点で判断しているのか。そういうのを見ながら見ていると面白いですね。