【NBA】常勝軍団スパーズの生命線は、コンビ結成11年目の「ジノビリ&パーカー」にあり (2ページ目)

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • photo by AFLO

スパーズの強さがどこにあるのか、細かく分析する佐古氏スパーズの強さがどこにあるのか、細かく分析する佐古氏 パーカーが攻撃の起点となることで、スパーズはコンスタントに『1試合100点オーバー』のゲームを作っています。スパーズのスタイルは、選手の誰かひとりが高得点を叩き出してゲームを引っ張るものではありません。調子のいい選手がいると120点ぐらい奪いますが、もし当っている選手がいなくても、スパーズというチームは100点前後を奪えるのです。このコンスタントに『100点オーバー』を取れるところが、スパーズの強さのカギではないでしょうか。

 なぜならば、毎試合100点を奪えるとなると、選手たちは「相手チームを90点台に抑えればいい」という考え方になるからです。相手を90点台に抑えることは、それほど難しいことではありません。各クォーターを『25点以内』で終えればいいのですから。逆にスパーズがオフェンスで90点しか取れないと、負けゲームも増えると思います。

 ただ、今のスパーズを90点に抑えるのは、容易なことではありません。特にバスケットセンスの秀でたマヌ・ジノビリと、司令塔のパーカーは、NBA屈指の『最強ガードコンビ』です。畳み掛けるように攻めていく彼らのオフェンスは、試合を見ていてものすごい怖さを感じます。

 まず、ジノビリのすごいところは、ドリブルでゴールに突っ込む際、ステップの大きさを変えることでスピードに『強弱』をつけられる点です。特に2歩目のステップでリズムを変える技術は、抜群に素晴らしい。2歩目で相手のマークがずれると、一瞬でフィニッシュを決めてしまいます。ジノビリの生命線は、あの「2歩目のステップ」にあると言っていいでしょう。他の選手とは違うジグザグした動きは『ジノビリステップ』と呼ばれています。

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