【NBA】ダントーニ新監督が語る「新生レイカーズの目指すスタイル」 (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

「本や新聞は『7秒以下のオフェンス』とキャッチーな表現をするけれど、私のもともとの攻撃哲学は『24秒以下(※1)のオフェンス』だ。7秒でも10秒でも20秒でもいい。24秒の間に1本、いいシュートを打てればいい」

 そう言ってダントーニが得意とする『ラン&ガン(※2)』に抵抗のある人の心を鎮めておきながら、その一方で、速い展開がいかにこのレイカーズに向いているかを説いた。

(※1)24秒以下=コート内でボールを保持した場合、コントロール開始から24秒以内にショットをしなければならない(24秒ルール)

(※2)ラン&ガン=常に速攻を狙う攻撃スタイル。オフェンスに与えられた攻撃時間の24秒すべて使い切ることを前提としていない

「私たちはリーグで最高のチームなのだから、できる限り攻撃回数は多いほうがいい。攻撃回数が少なくなればなるほど、審判の判定ひとつや、シュートミス1本で負ける可能性が出てくる。オフェンスもディフェンスも最高のチームだからこそ、攻撃回数を増やしたほうが勝つチャンスも高くなるはずだ」

 こうしたダントーニの言葉を聞いていると、それだけで、どんなことでも簡単で自由なことに思えてくるから不思議だ。実際、ダントーニの記者会見から2試合、選手たちはまるで呪縛を解き放たれたかのように自由にシュートを打って決め、2試合で233点を奪い、合計23点差で勝利を挙げた。ダントーニが練習で簡単なフォーメーションをいくつか教えただけなのに、すっかりダントーニのチームに生まれ変わった。

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