【男子バスケ】世界選手権出場に向けてスタート。「アジアを勝ち抜ける手応えを感じた」 (2ページ目)

  • 横谷和明●取材・文 text by Yokoya Kazuaki
  • photo by Nikkan sports

「今大会の一番の収穫はディフェンスです。初戦から決勝まで崩れることなく、自分たちのディフェンスをずっと貫き通すことができた」と桜井。自らも前戦から体を張ったディフェンスで相手のガードにプレッシャーをかけ続け、鋭いドライブでゴール下へ斬り込むなど、キャプテンとしてチームのリズムを作り上げていた姿は間違いなく日本の原動力になっていた。

 さらに若手の健闘が光った大会でもあった。

 ポイントガードの比江島慎(青山大学)は怪我をした渡邊裕規(パナソニック)の代わりに出場時間を増やし、「課題にしていたゲームコントロールもある程度はできたと思います。あとは簡単なミスを減らしていきたい」と振り返り、シューティングガードとして思い切りの良いシュートを決めた田中大貴(東海大学)も、「まずはディフェンスから入ろうと心掛けていました。世界を見れば僕らと同じ年代の選手が活躍しているし、自分たちが決して若いとは思っていません。今後は競っているときに、自分がアタックできる選手になりたい」と口にした。鈴木HCも「比江島、田中という大学生がA代表の試合の大事な局面で結果を残せるようになったことは大きな収穫。若い選手は経験を積ませると、驚くスピードで成長していくことが分かった」と太鼓判を押す。

 もちろん、今後に向けて課題も残った。決勝戦ではイランの高さとゾーンディフェンスに苦しめられ、日本のシュート成功率はわずか30%。課題にしていたフリースローの確率も悪く、「それが実力の差だと思う」と鈴木HCも認めた。桜井も「ゾーンディフェンスの攻め方など、まだまだやらなければいけないことは多い」と話すが、さらなるオフェンスの構築が必要不可欠だろう。

 10月からJBL、bjリーグともに新シーズンが始まる。桜井と竹内の「このメンバーで、アジアを勝ち抜ける手応えを感じた」という言葉を、来年のアジア選手権に向けて実現していくためにも、各々が見つけた課題を各リーグでチャレンジすることが、重要なポイントになるはずだ。

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