【NBA】ライバルチームに電撃移籍。ナッシュがレイカーズを選んだ理由 (2ページ目)

  • 宮地陽子●文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 一方、レイカーズのコービー・ブライアントも、以前からサンズについて「大嫌いだ」と断言していた。しかしそんなブライアントも、レイカーズがナッシュを獲得するかもしれないと聞いて喜んだ。ナッシュと電話で話をし、彼の加入がレイカーズにとっていかにプラスとなるのか、そしてふたりが力を合わせてチームを率い、優勝に挑むことをどれだけ楽しみにしているかを語った。

 ライバル同士が、一夜にしてチームメイトになることが奇妙だという声に対して、ブライアントはこう反論する。

「僕はまったく奇妙だとは思わない。これまで戦い、衝突する時もあったのは確かだけれど、もっと核のところでは、僕と彼は同じ年にNBAに入ってきた同期なんだ。そしてあの時代から今もNBAに残る、数少ない中のふたりなんだ。そういったつながりは、ライバルとして戦ってきた敵対心よりも大きなものだ」

 また、ロサンゼルスでナッシュとブライアントがチームメイトになった同じ日に、マイアミでも、昨日までのライバルがチームメイトとなった。ボストン・セルティックスの一員だったレイ・アレンが、最大のライバルだったマイアミ・ヒートとフリーエージェント契約したのだ。「優勝したヒートが、それでもまだ自分を必要とし、チームの中で大きな役割を担う選手として求めてくれたことが決め手になった」とアレンは語る。敵として戦ったからこそ、ヒートはアレンの価値を認め、アレンもヒートのチームとしてのすばらしさを知っていた。

 ライバルとは、そんなものなのかもしれない。お互いに戦っているときは、味方になることなど想像すらできないが、ライバルという壁を取り払うと、誰よりもお互いを理解し合える。

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