2012.05.29

【NBA】レブロンはジョーダンを越えられるか?

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • 高須 力●撮影 photo by Takasu Tsutomuphoto by AFLO

「レブロンをリアルタイムで見られる幸せを忘れないでほしい」と語る佐古氏 また、今年のレブロンがさらに進化したと感じたのは、メンタル面です。プレイオフを見ていても、今、自分が何をしなければならないのか、何をやらないと勝てないのかを考えながらプレイしているように思います。インディアナ・ペイサーズとのカンファレンス・セミファイナルでは、レブロンのすごさを改めて実感させられました。クリス・ボッシュをケガで欠いたヒートを迎えたペイサーズは、レブロンではなく、対ウェイド用のディフェンスシフトを敷いたのです。つまりそれは、レブロン用のシフトを敷いても、万が一、それがアジャスト(順応)しなかったら、大敗する危険性があると考えたからです。

 特にレブロンのアウトサイドが当たりだすと、もう手が付けられません。普通に1試合で40得点ぐらい取ってしまう選手なので(笑)。「本当に押さえられるのか?」「レブロンへのシフトに意味はあるのか?」と相手を不安にさせるオーラは、クリーブランド時代と全然違います。この存在感が、レブロンの真の価値と言えるでしょう。


 ハマったときのレブロンのプレイは、まるで『戦車』。「この世にいる人間には止められない!」と思わせる迫力があります(笑)。僕らの想像を簡単に越えてくれるんですよね。そんなプレイを見せてくれる選手は、スポーツの世界でもほんのひと握り。レブロンがそのひとりであることは間違いありません。そこに、僕たちは惹かれるんだと思いますよ。

 また、レブロンは得点力だけでなく、アシスト力やディフェンス力、そして何より類まれな『バスケット感』を持ち合わせている点がすごい。アメリカでは、レブロンのことを「1番(ポイントガード)から5番(センター)までできる選手」と評しています。そんな選手、ホントにいないですよ。1番から5番まで、バスケット感はどれもまったく違いますから。ポイントガードの感覚を持ちながら、センターのイメージもできる――。まるでバケモノです(笑)。