【NBA】ファイナル4がついに決定!
無敗のスパーズに若きサンダーが挑む

  • 佐古賢一●解説 analysis by Sako Kenichi
  • 高須 力●撮影 photo by Takasu Tsutomu Photo by AFLO

※チーム順位は各カンファンスでの順位※チーム順位は各カンファンスでの順位 一方、イーストのセルティックス対ヒートというカードは、本当に先の読めないゲームになるでしょうね。今季レギュラーシーズンでは、どの試合も接戦でした。正直なところ、地味な試合になるんじゃないかな、と思ってます(笑)。というのも、セルティックスが勝つためには、ヒートの攻撃のリズムを落とさせることが必須だからです。レギュラーシーズンでも、得点力の高いヒートを60点台に抑えて勝ったことがありました。コート上にスペースがあると、レブロンもドウェイン・ウェイドもそこに割り込んでいくだけのパワーとスピードがあります。よって、2対2や3対3の状況を作らないよう、5人全員で守り抜く戦術が重要となるのです。となると、試合はどうしても派手なものにはなりづらい。玄人(くろうと)好みするゲームとも言えるのですが......。

「デュラントは華がないと言われますが、頂点を獲れば評価はすぐに変わる。伝説になれる選手」と語る佐古氏 「デュラントは華がないと言われますが、頂点を獲れば評価はすぐに変わる。伝説になれる選手」と語る佐古氏  対するヒートにも、不安はあります。最大の不安材料は、ビッグ3のひとり、クリス・ボッシュの不在です。カンファレンス・セミファイナルでボッシュをケガで欠いてから、ヒートらしくない試合が多くなりました。特に、インサイド経由でアウトサイドに流れるボールが少なくなっているんです。その結果、どうしてもレブロンとウェイドだけに頼らざるを得ず、ボールの流れが偏っています。ふたりの調子が良ければいいんですが、1~2点差のゲームとなった場合、ボールが偏り過ぎると他の選手は不安になってシュートを打てなくなるんです。レブロンとウェイドには頑張ってもらいたいですが、試合巧者のセルティックス相手には苦戦を強いられると思いますよ。

 ウエスト、イーストともに展開の読みづらいカードですが、ここを制すればついにファイナルです。どこが最後の大舞台に立つことができるのか、本当に楽しみですね。

取材協力:WOWOW
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プロフィール

  • 佐古賢一

    佐古賢一 (さこ・けんいち)

    1970年7月17日生まれ、神奈川県出身。179cm/ポイントガード。北陸高→中央大→いすゞ自動車→アイシン精機。日本を代表する司令塔として活躍し、『ミスターバスケットボール』と呼ばれる。的確な判断力と要所の得点力で、JBLリーグ優勝9回、全日本選手権優勝12回を果たす。2011年に現役引退。
    WOWOW(http://www.wowow.co.jp/sports/nba/)でNBA解説など活躍の場を広げている。現在はJBA理事ナショナル男子を担当。近況はコチラ

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