【F1】アロンソ、地元ファンのために17位完走を選択 ホンダは来季飛躍へ「茨の道」を走り続ける
F1第14戦スペインGPレビュー(後編)
第14戦スペインGPの舞台「マドリンク」の観戦スタンドが深緑色に染まっていたのを見て、アストンマーティン・ホンダのフェルナンド・アロンソは驚いた。
「正直に言って、観客席がアストンマーティンのファンで埋め尽くされているのを見て驚いたよ。スタンド全体が緑色で、スペイン国旗や(アロンソの故郷)アストゥリアス州旗が掲げられていた。
僕らに競争力がないことを知っていても、彼らはエネルギーに満ちていて、このレースを楽しみにやって来てくれた。これは本当にすばらしいサプライズだ。彼らに感謝したいよ」
アロンソの凱旋レースは非常に苦しい内容となった photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る オランダGPで今季2回目の入賞を果たしたとはいえ、アストンマーティン・ホンダとアロンソは低迷を続けている。
それでも、マドリンクに詰めかけた地元スペインの観衆がアロンソに期待していたのは、超高速のモンツァ(イタリアGP)よりも競争力を発揮し、あわよくば中団の上位で入賞を狙えたザントフォールト(オランダGP)のような戦いだったはずだ。
しかし、チームは慎重だった。
予選でQ3進出が狙えるかと聞かれたチーフトラックサイドオフィサー(CTO)のマイク・クラックは、浮き足立つ地元スペインのメディアを落ち着かせるように語った。
「地に足をつけていく必要がある。新しいサーキットだから、まずは走ってみて自分たちの状況を確認する必要がある。
それに今シーズン、我々がQ1を突破したのはまだ1回しかない、ということも忘れてはならない。現時点でQ3進出を語るのは、いささか傲慢すぎるだろう。通常の予選では、そういうことになる。ライバルたちも強力だから、大きなサプライズを期待してはいない」
マドリンクは、モンツァほど極端なストレートの長さと全開率ではないものの、モナコのような低速サーキットでもない。
後半戦にスペック2エンジンを投入し、想定どおりの進歩を果たしたとはいえ、ホンダもまだライバルたちに追いついたわけではない。
車体も、大きく改善したとはいっても、まだ中団トップの速さはない。
つまり、理論的に考えてQ3──すなわち中団グループのトップを争うことなど、期待しようがないのだ。
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著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

