【F1】アストンマーティン・ホンダに立ち塞がる名物「オールージュ」の壁 攻略のカギはエネルギー配分の最適解
壁のようにそびえ立つオールージュの急斜面が、まさしく今週末の第10戦ベルギーGPではドライバーたちの行く手を阻む難所になる。
ターン1のラ・スルス(「水源」の意)から斜面を下り、下りきった先に流れる赤褐色の小川がオールージュ(「赤い水」の意)。その先にそびえる山の斜面(急勾配区間)はラディオンと呼ばれ、ドライバーたちはその先のケメルストレートの終わりまでおよそ20秒間、スロットルペダルを全開で踏み続ける。
しかし今年は、そうはならないだろう。
アストンマーティンはアクセル全開区間をどう攻略する? photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る 長いストレートではバッテリー残量が尽き、途中からはICE(内燃機関)だけで走らなければならなくなる。セクター3の長い全開区間も同様だ。
時速200kmオーバーの高速コーナーが連続するセクター2も、やはりこれまでのような1000馬力のマシンと格闘する場面は減り、なおかつダウンフォースも減っているため、コーナリングスピードは下がる。
同じような特性のシルバーストンをさらに極端にしたようなスパ・フランコルシャンだけに、シルバーストンで苦戦を強いられたアストンマーティン・ホンダにとっては、もしかすると今シーズン最も厳しいレース週末になるのではないかという見方もある。
シルバーストンではコーナリング中にステアリングをフルロックまで切り、「このマシンは空力的に破綻している」とまで言ったランス・ストロールは、スパでも厳しい戦いが待っているだろうと見ている。
「ブレーキングや中低速コーナーでは入口で挙動が不安定になり、高速コーナーではフロントウイングやフロア前部の空力がストール(喪失)し、フロントが逃げていく。僕たちがマシンのなかで感じていることを理解する手助けになればと思って、ファクトリーの空力エンジニアたちにああいうこと(上記の発言)を言った。データだけではわからないこともあるからね」
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著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。


