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MotoGP小椋藍、日本人22年ぶりの優勝を語る 「『自分が世界で一番速かった』と、より強く感じた」

  • 西村 章●取材・文 text by Akira Nishimura

小椋藍インタビュー(前編)

 全22戦で争う2026年のMotoGP第11戦ドイツGPを、日本人ライダーの小椋藍(SuperFile Trackhouse MotoGP Team/Aprilia)は2位表彰台で終えた。そして、年間ランキングを2位でシーズン中間地点を折り返した。

 MotoGPに昇格して2年目の小椋は、このひとつ前の第10戦オランダGPでMotoGP初優勝を達成した。日本人が最高峰クラスで表彰台の頂点に立つのは、2004年の日本GPでポールポジションから独走勝利を果たした玉田誠以来だから、22年ぶりの快挙である。

2シーズン目のMotoGPを戦う小椋藍は現在25歳 photo by ©TRACKHOUSE RACING MOTOGP TEAM2シーズン目のMotoGPを戦う小椋藍は現在25歳 photo by ©TRACKHOUSE RACING MOTOGP TEAMこの記事に関連する写真を見る この小椋の優勝は、偶然でもなければ、幸運が重なった結果でもない。まさに獲得するべくして獲得した真正のリザルトだ。シーズン初頭からの彼の走りを振り返ってみれば、この偉業を達成する土台は、すでにその時からできあがっていたことがわかる。

 開幕戦のタイGPでは、土曜のスプリント(決勝レースの半分の距離で行なわれるショートレース)と日曜の決勝をそれぞれ4位と5位というまずまずの結果で、小椋は最高峰クラス2年目のシーズンを走りだした。以後は多少の波はありながらも、持ち味の粘り強い追い上げで着々とポジションを上げてゆく戦いが続いた。

 オートバイのロードレースといえば、ストレート区間でサイドバイサイドに並び、コーナー進入からのブレーキ勝負、あるいは地面に擦れるかというほどの深い旋回から立ち上がる加速区間でのオーバーテイク、といった手に汗握るスリリングなバトルが人気だ。

 しかし、小椋の場合は、そのような激しいバトルになることが少ない。安定したラップタイムを刻みながら前のライダーにじわじわと接近してゆき、見定めた場所でスパッとオーバーテイクすると、あとはそのライダーを少しずつ、しかし着実に引き離して、さらに前をゆくライダーとの距離を詰めてゆく。

 第5戦フランスGPの決勝レースでは、そんなふうに前のライダーたちをひとりずつ着実に処理して順位を上げてゆき、初表彰台となる3位を獲得した。

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著者プロフィール

  • 西村章

    西村章 (にしむらあきら)

    1964年、兵庫県生まれ。大阪大学卒業後、雑誌編集者を経て、1990年代から二輪ロードレースの取材を始め、2002年、MotoGPへ。主な著書に第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞、第22回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞作『最後の王者MotoGPライダー・青山博一の軌跡』(小学館)、『再起せよ スズキMotoGPの一七五二日』(三栄)、『スポーツウォッシング なぜ〈勇気と感動〉は利用されるのか』 (集英社新書)などがある。

【写真】MotoGPライダー加藤大治郎フォトギャラリー

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