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トヨタの若手育成は「まだまだ足りないところが多い」 中嶋一貴が語る日本人F1レギュラードライバー誕生に必要なこと (2ページ目)

  • 熱田 護●取材・撮影 interview & photo by Mamoru Atsuta
  • 川原田 剛●構成・文 text by Tsuyoshi Kawarada

中嶋 F1に乗れる、乗れないに関しては、最後はもうタイミングの要素が大きいので、乗れたら成功、乗れなかったら失敗という評価にならないと、個人的には思っています。ただ、メーカーの育成プログラムでヨーロッパのF3やF2に連れてくるようなドライバーは、純粋にマシンを転がす才能に関して言えば、間違いなく全員がそれなりのものを持っています。

 それでもうまくいく人といかない人が出てきますが、それはドライバーが環境に合う、合わないという部分や、本人だけでなくチームの実力不足が原因かもしれません。そこに関しても、さまざまな要素がからんできます。

 僕らの仕事は、それぞれのドライバーの個性にある程度合った環境にしっかり入れてあげることが大事だと思います。適切ではない環境の下で戦うことは、ドライバーにとって大きなハンデにはなってしまう。なんでもかんでもお膳立てしてあげるという意味ではないですが、やっぱりドライバーが実力を発揮できるような環境を整えてあげることが、僕らに求められることだと思っています。

 もうひとつポイントになるのは、今のトヨタのプログラムでは日本である程度育ってから海外に連れてくるというステップになっています。もちろん日本で学べることもたくさんありますが、海外で必要な要素をできる限り早い段階で学べる機会を作ってあげることも大事だと思っています。

 そういう準備もなしにポンと海外のレースに放り込んでいった時に、たまたまそれでうまくいくドライバーもいるのでしょうけど、そうじゃない人もいます。でもヨーロッパの自動車メーカーやF1チームなどの育成プログラムを見ていると、とにかく必要な要素を全部学べる機会をきちんと作ってやったうえで、「ではレースを戦ってください」という感じになっています。

 そういう環境と比べると、まだまだ僕らも足りないことがあると思いますし、とくに日本人は育ってきた環境や言語も含めて違うというハンデを抱えたなかで、ヨーロッパ人の若い子たちと同じ位置から「よーい、ドン」で戦うのは非常にハードルが高いと感じます。

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