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【F1】アロンソは決勝最下位でも「がっかりしていない」 長く苦しいトンネルも出口が見えてきた (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Mineoki Yoneya

【最下位でも得られるデータはある】

 決勝では、キャデラック勢が早々にリタイアした。そういう状況もあり、アストンマーティン勢同士で争うしかなかった。

 ソフトタイヤを履いて、少しでもマシン性能差をタイヤでカバーしようという戦略を採った。それ自体は正解だったものの、タイヤ差だけではいかんともしがたい差がライバルとの間にはあった。

 それでも2台で前後してバトルをしながら走行することで、得られるデータもあった。

 ランス・ストロールはバッテリーに通常と異なるデータが見られたため、大事を取ってガレージに戻した。その一方で、フェルナンド・アロンソは最後まで走って少しでも多くのデータを収集し、さらなる準備作業につながる走りをした。

「予想していたことだ。ガッカリはしていないよ。自分たちのポジションはわかっているし、それはシルバーストン(第9戦イギリスGP)でもスパ・フランコルシャン(第10戦ベルギーGP)でも同じだ。

 パフォーマンスがないこともわかっている。アップデートが入るまでの週末で可能なかぎり学習を進め、オペレーション面でもまだまだ改善しなければならない点があるからね。今の数戦は、そのために有効活用するんだ」(アロンソ)

 決勝中はギアボックスのオーバーヒートや、おそらくはこれも熱害だと思われる車速センサーの誤作動によるピットスピードリミッター異常などが起きていた。

 青旗を振られた際に、譲るためにバックオフすれば、ペースを失うだけでなくタイヤの温度も失う。それに合わせた戦略を採ることも重要だ。

 そういった、今のうちに経験して潰し込んでおかなければならないことに集中しなければならないのが、今のアストンマーティン・ホンダだ。

 車体もパワーユニットもあくまで暫定版であり、夏に登場するアップデート版の車体とパワーユニットが実質的な開幕仕様となる。今はその開幕に向けて実走テストを重ねている段階で、ようやくそのテストが形になりつつある。

 夏休みまで、残り3戦──。

 アストンマーティン・ホンダの長く苦しかった「実走テスト」のトンネルも、出口がすぐそこに見えている。

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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