【F1】アストンマーティン・ホンダの現場責任者は「アップデートをしない戦略」への批判をどう受け止めているか (2ページ目)
【最も苦手とするサーキットのひとつ】
ただし、TCの優位性が生み出していたMGU-H(熱エネルギー回生システム)からの発電量のアドバンテージは、2026年規定では消滅してしまった。
「去年まではTC性能が(MGU-Hからの)ハーベスト(収穫)量に直結していましたが、今年はそれがないので、TC性能が与える影響は小さくなっているかもしれません。そういう意味で去年までとは挙動が違っているのは確かですが、まずはこの標高でTCがどのように機能するのか、しっかりと見極めていきたいと思っています」
MGU-Hがないことで、ターボラグも起きやすくなる。MGU-HのモーターでTCを回してラグを回避していた従来とは違い、ドライバーのスロットル開度以上にICE(エンジン)を回してMGU-K(運動エネルギー回生システム)で制動をかけて発電するパーシャル(部分開放)発電を、ターボラグ解消にも利用することになる。
それがまさに、かねてからホンダが苦戦している「ドライバビリティ」の部分だ。標高700メートルのレッドブルリンクでは、さらにいつもとは違うチューニングが求められる。
「TCが想定どおりに動かなければ、ICEも想定どおりに機能しない。そうするとドライバビリティの問題が出てきてしまいますので、そこが一番重要だと考えています。この標高をシミュレーションしたテストはダイナモ上で進めてきましたが、まずは実走でTCやICEがどのような挙動を示すかを確認することが、このフリー走行のメインポイントになります」
コーナーごとに、ドライバーたちのスロットルの踏み方に合わせてチューニングをしていかなければならない。フリー走行でどこまで煮詰めていけるかが勝負だ。
1周65秒程度の短いレッドブルリンクだが、全開率は70パーセント前後と高く、パワーユニットに厳しいサーキットだ。
その一方で、ラップ後半には200km/hオーバーの高速コーナーが4つ連続し、高い空力性能が求められる。おそらく、今のアストンマーティン・ホンダにとっては最も苦手とするサーキット特性のひとつだろう。
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