【F1】アロンソはリタイアしてもポジティブ 「このパッケージから、まだあとコンマ数秒は引き出せる」 (3ページ目)
【まだあとコンマ数秒は引き出せる】
そして、低温のコンディションではダウンフォース不足でタイヤに熱を入れられず、本来のグリップを引き出すことも難しかった。
「ふだんから作動温度領域の下限ギリギリのラインにいて、ウインドウ内に収めるのがやっとの状態だった。そこに青旗やVSC(バーチャルセーフティカー)でバックオフしてタイヤ温度が下がると、温度を取り戻すのにかなりの時間を要してしまう。上位チームでさえ苦戦していたくらいだったから、今日のレースが厳しいものになることはわかっていた」(クラックCTO)
ただ、レース結果にはつながらなかったものの、着実に進歩はしている。
物理的なアップデートは夏まで見送りとなるが、現状のマシンパッケージの未成熟な部分を詰めていき、パフォーマンスを向上させる余地はまだまだある。それが見えたのはポジティブな要素だったとアロンソは言う。
「このパッケージから、まだあとコンマ数秒は引き出せると思う。マイアミではエネルギーマネジメントやギアボックスに問題があって悩まされたけど、今週はかなり改善できていて、コーナーの飛び込みでも、よりアタックできるようになってきた。
毎戦のように少しずつパフォーマンスを改善していけるはずだよ。もちろん空力パッケージが大きくアップデートされるまでは、今のマシンの最適化を進めていくしかないからね」
今は耐える時。しかし、ただ耐えるだけでなく、微かな希望が見えるなかでの忍耐と努力──。
それが見えたことが、カナダGPの収穫だった。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
【写真】敏腕フォトグラファーが追い続けた日本人F1ドライバーたち【10人】
3 / 3


