【F1】アストンマーティン・ホンダは3戦目でやっとワンチームに「そもそも我々の関係に問題なんてない」 (2ページ目)
【特例開発の投入が認められれば...】
レースディスタンスを走りきれたのは、ただの自己満足的な目標ではなく、マシンの性能を高めていくうえでも重要なポイントになる。
レース中に刻々と変化していくマシン状況に合わせて、デフやブレーキバランスといった電子セッティングをアジャストしていくこと、タイヤマネジメントを最適化していくこと、さまざまなエネルギーの使い方を想定したモードを用意しておくこと──。
さらには、1レースを走りきったパーツを分析することで、運用上のマージンを削り取って、さらに攻めた使い方をすること。
日本GPでの完走は、ようやく攻めの姿勢へと移っていくためのターニングポイントなのだ。
もちろん、車体もパワーユニットも、さらなる性能向上のための開発が裏側では進められている。ただ、それは一朝一夕に変えられるものではなく、地道な努力と時間が必要とされる。そのことはわかっているとアロンソは語る。
「パフォーマンスは最下位だし、競争力がないわけだから、満足できる状況ではないよ。でも、チーム一体となって力強く改善・努力を続けていくしかない。
状況を改善するために(アストンマーティンとホンダの)両方のファクトリーには時間が必要だ。彼らも全力でがんばってくれているし、いくつか改善も果たせているし、いくつかアイデアもある。
でも、1日で完成するようなものではない。設計、CFD(コンピューター上で空気の流れを計算して可視化・解析する技術)、風洞実験、製造、実走といった工程を順番にやっていれば7月や8月、何カ月かはかかるだろう。今、僕らが置かれているのはそういう状況だ」
第6戦目を終えた段階でパワーユニットの性能が2パーセント以上の後れを取っていれば、特例開発の投入が認められる(※)。現時点で具体的な投入時期や内容は確定できないものの、HRC Sakuraでも懸命な開発が進められている。
※各メーカーのPU性能を公平に比較するため、FIA(国際自動車連盟)が「特定のメーカーのPU性能がトップのPU性能から2パーセント以上遅れている」と判断した場合、そのメーカーに特例としての開発を認める。エンジン(ICE)の出力だけでなく、エネルギー回生システム(ERS)を含めたPU全体のパッケージとしての性能が対象。
ホンダとアストンマーティンの関係悪化も報じられたが、技術者たちは強くタッグを組んで、ひとつの目標に向かって懸命に努力を続けている。その成果のひとつが振動問題の改善であり、レース完走でもあった。
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