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【F1】アロンソは1周で6台に抜かれ闘争心の糸ぷっつり 戦略は「大ハズレ」に終わった (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Mineoki Yoneya

【走り続ける意味がない状況】

「もうすぐピットインするしかない。バイブレーションがあまりにひどすぎる」

 その無線に呼応するようにチームは、31周目のメインストレート、ターン6手前と出口、ターン11手前、バックストレートでも同じように両手をステアリングから離して動かすアロンソをピットインさせ、ミディアムに交換して送り出した。

「BOX THIS LAP」

 アロンソはターン6出口で自らそうコールし、ピットに戻ってリタイアした。

 おそらく、リタイアするならピットストップ練習をしてからということも含めて、この流れは事前に決めていたのだろう。

「今日は今週末のどのセッションよりもひどかったよ。理由はなぜかわからない。エンジンの回転数を下げたり、振動を抑えるための調整もいくつかトライした。だけど、レースのなかではオーバーテイクをしたり、リチャージしたりするために回転数を引っ張る必要もあるし、時間が経つにつれて(身体的に)どんどん厳しくなっていったんだ」

 スプリントの19周は走破して17位。それよりも燃料搭載量が3倍になり、「フルタンク時には振動がマシになる」と言われていたのとは逆に、決勝では振動がひどかったのは意外だ。

 アロンソがそう語るのだから確かなのだろうが、予選・決勝ではコクピットの振動を拾うセンサーは搭載していないから、数値で正確に把握・分析することはできない。いずれにしても、振動に耐えながら残り24周を走り続ける意味がない位置だったということは確かだ。

「彼も優勝争いをしている状況なら、耐えて走ることも可能だと話していた。だが、あの時点で強力なポジションを争っているわけではなかったから、(リタイアするという)この決定を下すのは極めて容易だったということだ」

 アストンマーティンのチーフトラックサイドオフィサーで、実質的なチーム代表代行であるマイク・クラックはこう説明する。

 だが、1周でも多く走り込んでデータを収集することが学びとマシン熟成につながる、という方針には反する。それだけ振動がひどかったということだろう。

 ただし、アロンソのリタイアの原因を正確に言うなら、「車体の振動」だ。

◆つづく>>

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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