検索

【F1】アストンマーティン・ホンダ、巻き返しのカギは? ストレート車速が30km/hアップする可能性も (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【フェルスタッペンも不満を訴えた】

 フェルナンド・アロンソが現状を説明する。

「僕らにとっては、これが初めての自社製ギアボックスだということも忘れてはいけない。ギアボックスだけでなくデフやクラッチも初めてだから、もっとデータが必要なんだ。実際に走ってみて、ダウンシフトが少しハーシュ(入りづらい)だったり何か問題があれば、ピットに戻ってセッティングを変更して、また走って試す必要がある。

 今まではメルセデスAMGのパワーユニットとギアボックスを使っていて、セッティングもすべてメルセデスAMGのほうで整えられていた。だけど今年はすべてが新しいので、これを改善するには時間が必要だ」

 ダウンシフト時の挙動については、百分の数秒でギアを切り替えるクイックシフト機構だけでなく、パワーユニット側の点火制御も連動して煮詰めなければならない。この分野に何年もの経験があって勝ちまくっていたレッドブルですら、マックス・フェルスタッペンが不満を訴え改善を続けていたところだけに、簡単にそのレベルまで到達できるわけではない。

 となれば、ブレーキング時のマシン挙動にも影響する。ブレーキングが安定しなければ、ブレーキング踏力を抑えざるを得ず、シフトダウンも1速まで落とすことができない。

 結果として、MGU-K(※)からのエネルギー回生量は減ってしまう。それが次のストレートでアシストを使える時間に響き、最高速を伸ばせなくなる。足りない分をコーナリング中に回生しなければならないから、コーナーもわざとゆっくり走って、MGU-Kで制動をかけて充電をしなければならない。それも、コーナリング性能が低いマシンなら発電できる量が減ってしまう。

※MGU-K=Motor Generator Unit-Kineticの略。運動エネルギーを回生する装置。

 マシン挙動、発電、パワーユニットの出力......すべてがリンクしているのだ。

「特に今回のレギュレーションでは、ブレーキングのパフォーマンスがそのまま直線スピードにも影響する。ブレーキング時にどれだけエネルギーを回生できるか、また減速時の安定性がどれだけ高いかによって、次のストレートで使えるエネルギー量が変わってくるんだ。

 コーナーのエイペックス(※)で1速多くダウンシフトできれば(発電量が増え)、その分だけ次の加速で使えるエネルギーも増える。だから結局は、マシン全体をあらゆる面で強化していく必要がある。それが今、我々に求められていることだよ」(デ・ラ・ロサ)

※エイペックス=コーナーを曲がるクルマが最もイン側(内側)につく頂点。クリッピングポイント。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る