【F1】角田裕毅が「シートを失った実感」を持てないのは、現実から目を逸らしているからだ (3ページ目)
【事実を受け止め、再び歩き出せ】
不運やチームのミスなど、自分の力ではどうすることもできない要因で失ったレースもあった。しかし、自分のミスやコミュニケーションミスなど、自分たちでなんとかできた要素もあった。
それを一つひとつ改善し、乗り越えてきた。カタールGPのスプリントや今回のアブダビGPの予選など、ようやく結果が出始めてきた。
「ユウキ、今年1年、本当にありがとう。君とともに戦えて光栄だったよ、アリガトウゴザイマス」
レース後、最後の無線で送ったレースエンジニアのリチャード・ウッドの言葉に、この8カ月間でともに乗り越えてきた苦労の数々がにじみ出ていた。そして、それが成長へと続くいい思い出に昇華しているのだということも。
その成長を、結果に結びつけられるかどうか、再びそのチャンスをつかめるかどうかは、角田次第だ。不完全燃焼のシーズンが悔しいなら、もう一度その舞台に立つしかない。そのためにやれる努力は、すべてやるしかない。
終わったという実感がないのは、喪失感から目を逸らしているからだ。自分がすべてを失い、ひとつのストーリーが終わったのだという事実と向き合い、受け止め、再び歩き出せ。
角田裕毅の新たな挑戦は、もう始まっている。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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