【F1】角田裕毅が「シートを失った実感」を持てないのは、現実から目を逸らしているからだ (2ページ目)
【後半は運がまったくなかった】
実際のところ、必要とされていたのはノリスにタイムロスさせることではなく、後方のシャルル・ルクレール(フェラーリ)にノリスを攻略させてノリスの順位を落とすことだった。
ただ、角田にはそのことがきちんと伝わっておらず、ルクレールとの三つ巴状態に持っていってノリスの隙を突かせるといったタクティクスを繰り広げるような走りにはならなかった。
フェルスタッペンのタイトル奪取がならなかったのみならず、角田はノリスへのブロックが複数回のライン変更と判定されて5秒加算ペナルティを科された。結果、本来ならハミルトン(フェラーリ)の前で8位フィニッシュできていたはずのチャンスをフイにした。
「謎の5秒加算ペナルティがあったのと、前後ともタイヤのオーバーヒートがけっこうひどかったので、オーバーテイクするのはかなり厳しかったですね」
ペースは決して悪くなく、フェルスタッペンのために自身を犠牲にした戦略でも十分に入賞ができるだけの速さがあった。しかし、ペナルティによって入賞を逃した。
予選の不運といい、決勝のペナルティといい、アブダビGPはまさしく今シーズンの角田の苦闘を象徴するようなレースになってしまった。
「運という言葉を使いたくはないですけど、シーズン後半は特に『運がまったくなかったな』と思います。自分がどうすることもできない部分でいろんなことが起きて、いいペースが見せられた時に限って、くだらないペナルティを科されてしまったり。ちょっとタフなシーズンでした。少なくとも僕は全力を尽くしましたし、それがすべてだと思います」
最後まで不完全燃焼のレースで、実力を発揮しきれなかった。実力に見合う結果をつかみ取ることができなかった。
だからこそ、「やれるだけやりきって悔いなし」というのではなく、このシート喪失という現実にも納得がいかないのだろう。そして、自分がシートを失ったという実感も持てないのだろう。
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