【F1】角田裕毅「運命の10月」まで残り2レース フェルスタッペンと「実質0.35秒差」で示した実力の片鱗 (2ページ目)
【光明は少しずつ見え始めている】
それでもFP3で確認したロングランは、やはり前戦バクーで大きな改善を果たせたさらにその延長線上にあった。決勝でもフリーエアでは好ペースを維持し、スタート直後の後退さえなければ入賞できていた可能性が高い。
いや、予選をうまく運んでフェルスタッペンの0.4〜0.5秒差なら、フェラーリ勢と6〜7番グリッドを争えたはずだ。その位置からレースに臨んでいれば、もっとクリーンなレースでロングランペースのよさを結果につなげられたはずだった。
「2戦前まではペースは悪くて、18位とか19位でまったく希望も何もありませんでした。ただ、その問題はほぼすべて解消されて、今はかなりコンペティティブ(競争力のある状態)になって、上位で争える状態になりました。
でもこの2戦は、それまでとは完全に真逆の状況になって、予選一発のタイヤグリップを引き出すのに苦労しました。予選一発とロングランをひとつにまとめ上げることがキーポイントだと思いますので、そこが今の目標です」
結果がすべてではない。このシンガポールGPの結果ですべてが決まるわけではない。結果だけがすべてを物語るわけではない。
すでにバクーでは結果を示し、そして運命の10月に残された、あとふたつのレースでどんな結果が残せるかが2026年を決する。
そこに向けた光明は、少しずつ見え始めている。結果にしか目を向けない者には見えないその光明を、次はオースティン(第19戦アメリカGP)で見せつけてやれ。
著者プロフィール
米家峰起 (よねや・みねおき)
F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。
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