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【F1】苦境レッドブルの要求に変化「リスクを取っても限界ギリギリを...」ホンダ・折原伸太郎が明かす現場のせめぎ合い (2ページ目)

  • 熱田 護●インタビュー・撮影 interview&photo by Atsuta Mamoru
  • 川原田 剛●構成 text by Kawarada Tsuyoshi

【パフォーマンス優先で「危なかった」レースも】

ーー今シーズンはすでに中盤戦に入っていますが、レースを重ねるにつれてレッドブル側からの要求のハードルはどんどん高くなっている感じですか?

 そうですね。少しでもパフォーマンスを優先させる方向にいっていますし、求められるレベルもどんどん厳しくなっています。

ーーしかし、パフォーマンスを上げることに振りすぎて、PUの信頼性に関するトラブルが発生したケースはなかったですか?

 壊れたことはないですが、危なかったなというレースは何度かありました。オペレーションをするうえで、難しい例のひとつとしてトラフィックの影響があります。速いチームは前方を走ってトラフィックの影響を受けないのでPUの水温や油温は上がりにくい。でも中団グループのトラフィックのなかで走ることが多くなると温度がどんどん上がっていって、PUにとってはよくない方向にいってしまいます。

 我々は信頼性の限界に対する位置づけを監視しながらオペレーションしていますが、今シーズンは中団を走ってそのままトラフィックから抜けられずに身動きが取れなくなるケースもあり、予想以上に温度が上がってしまったことはありました。

 どのイベントか具体的に申し上げられませんが、けっこう厳しいところまで温度が上がってしまい、冷えた空気を取り込むために前のマシンとの距離を取ってくれ、半車身だけマシンを横にずらして走ってくれとお願いしたことがありました。前のマシンとの車間を空けることだけは我々としても絶対にお願いしたくないのですが......。

今季は苦戦を強いられ戦い方が変化しているというレッドブル今季は苦戦を強いられ戦い方が変化しているというレッドブルこの記事に関連する写真を見る

ーーホンダは今、技術的にギリギリの戦いを続けているということですね。

 そうですね。あとペナルティに対する考え方もこれまでと変わってきています。各ドライバーが年間で使用できるPUの上限数は4基に定められており、規定数を超えて使用する場合はグリッド降格のペナルティが科されます。

 たとえ5基目のPUを投入してペナルティを受けることになったとしても、1基あたりの走行距離は確実に減らすことができ、信頼性のリスクを減らすことにつながりますし、フレッシュなエンジンを使えるメリットもあります。何よりもペナルティを受けて後方からスタートすることになってもマシンに速さがあったので順位を取り戻すことができました。

「トータルで考えると年間5基で運用したほうがいいよね」とレッドブルのメンバーと会話をしながらPUを運用していました。でも、今は全体的に競争力が拮抗しており、オーバーテイクも難しい状況になっているので、ペナルティを受けて後ろからスタートはしたくない。基本的には年間4基でシーズンを乗りきろうという認識になっています。

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