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【F1】角田裕毅のレッドブルでの第2章 マイアミGPは限界までプッシュできるチャンスが2回 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【今のF1マシンを速く走らせるカギ】

「いろいろとセットアップ変更をやりたかったんですけど、すべてはやりきれませんでした。どちらかというと、僕のマシン習熟よりもエンジニア側のやりたかったことを優先して進めた感じです。

 だから正直に言うと、セットアップについてはあまりできなかったと言うべきかもしれません。だけど、ここまでは(レース週末のなかで)あれこれ試して一貫性が持てなかったので、今週末はもう少し自信を持って臨めればいいかなと思います」

 過去3戦のレッドブルはさまざまなセットアップの方向性を模索し、レース週末のセッションごとに空力パッケージやセットアップを変えるような状況だったからだ。

 レース週末を通して同じ状態のマシンで走行できなかったことも、角田のマシン習熟の妨げになっていたことは事実。しかし、今週末はイニシャルセットアップ(初期設定)が大きく外れていなければ、週末全体を通して一貫したマシンでRB21の理解をさらに深める作業に専念できるはずだ。

 マイアミGPはスプリント週末であり、フリー走行が1回しかない。しかし金曜のスプリント予選と土曜の予選、マシンを限界近くまでプッシュすることができるチャンスが2回ある。それは今の角田にとって、プラス要素かもしれない。

 限界付近でのマシン挙動をいかに把握し、限界を超えないギリギリのレベルまで攻められるかどうかが、今のF1マシンを速く走らせるキーポイントだ。なぜなら、限界を超えてしまえば挙動は大きく乱れ、0.2秒や0.3秒は簡単に失ってしまい、超僅差の今のフィールドでは大きなポジション後退につながってしまうからだ。

「このマシンがものすごく難しいとは思いませんけど、予選では常に新しい特性に遭遇して、それに対応しきれないこともある。たとえば、マシンが限界より2パーセントでも超えてしまえば、まったく違う反応になるわけです。

 それがまだ僕には予測できていないので、Q3で本来のパフォーマンスを引き出しきれていません。そこは経験を積んでいくことでしか身につけられない。マシンの限界を見極めるのには、もう少し時間がかかるかなと思います。

 予選で上位に行ければ、ポイント獲得のチャンスも大きくなります。戦略面でもっといろいろとやれるようになるので、間違いなく予選の改善が最優先事項です」

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