【F1】角田裕毅がフェルスタッペンと勝負するのは今じゃない 最優先事項はトリッキーなマシンの限界値を知ること (2ページ目)
【優先すべきは目前のポジションではない】
路面温度が10度ほど下がって「マシンが蘇った」と語ったフェルスタッペンとは対照的に、角田は「マシン挙動が悪化した」と振り返った。
「路面コンディションがよくなかったFP3では気持ちよく走れる仕上がりだったので、本当は(FP3の)クリーンな路面ではもう少しマシンがナーバスでドライブするのが難しい状態のほうがよかったのかもしれません。それが予選になって、マックスとは逆にマシンがよくなくなった理由かもしれません」
Q2のタイムでも予選6位だっただけに、角田は悔しがった。それを挽回しようと、決勝では最低でもポジションを上げて上位集団のなかでフィニッシュし、ポイントを稼ぎたいと言った。
その力みが、決勝では逆効果になってしまったのかもしれない。
タイヤのデグラデーション(性能低下)が小さく、コース上での追い抜きはほぼ不可能。1回のピットストップだけがポジションアップのチャンスであり、セーフティカーが出ればその可能性すらなくなるという焦りに似た思いも、どこかにあったかも知れない。
その結果として、前のカルロス・サインツ(ウイリアムズ)を抜くどころか、うしろから襲いかかってきたピエール・ガスリー(アルピーヌ)だけは絶対に抑えなければならないという思いが強くなり、ターン4での接触につながってしまったように見えた。
FP2のクラッシュにしても、決勝のリタイアにしても、今の角田にとっては目の前のポジションではなく、1周でも多く走り込んでマシンの理解を深めることが最優先事項である。そのことが曖昧になったがゆえの結果ではなかったか。
決勝で上位争いができるようにするには、上位グリッドの確保が必要不可欠だ。そのためには、予選でマシンの限界近くまで攻められるくらい、マシンに対する理解を深めて性能を引き出すことが課題になる。
だからこそ、今は目の前のポジションよりも長い目で見たマシン習熟を優先することが何よりも大切だったはずなのだ。
それができて初めて、マックス・フェルスタッペンという巨大すぎる壁と戦うスタート地点に立つことができる。今の角田はまだ、そのスタート地点に立つ準備をしているにすぎない。予選6位や8位と言っている今は、角田の実力勝負ではない。本当の意味でフェルスタッペンと実力比べをするのは、それからなのだ。
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