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【F1】日本GPの歴代ベスト5を勝手にランキング 角田裕毅の成長を感じた「春の鈴鹿」は外せない (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 そしてもうひとつうれしかったのは、角田裕毅(RB)の成長がはっきりと見て取れたこと。F1デビューを果たした2021年の日本GPはコロナの影響で中止。2022年に初めて日本のファンの声援を一身に浴びて走る経験をし、ドライバーとしても人としても急激に成長したように感じられた。

 その角田が、2024年の日本GPでは鈴鹿で初めての入賞を果たし、それまで背負っていた肩の荷が下りたように見えた。レース週末を通してリラックスし、マシンのパフォーマンスを最大限に引き出して、自分らしい走りと自分らしいレースをしていた。

 ポイント獲得が果たせたのは、5台同時ピットインという、戦略としてはミスだがピットクルーの作業のおかげでポジションアップができたからだ。ターン1で相手にブロックラインを取らせてターン2の立ち上がりを苦しくさせ、その歪みが積み重なった先の逆バンクでアウトから抜くという、角田らしいテクニックを見せてくれたのもよかった。

 ストレートが遅いRBのマシンではターン1やシケインで抜けないからこそ、自分たちの強みを生かした独創的なバトルが生まれたわけだ。それを見て模倣するドライバーもいた。

 新年度・新学期を迎えたばかりの開催時期で現地観戦が難しいという懸念の声もあった。だが、フタを開けてみれば半年前の開催を上回る大盛況で、現地では若いファンの増加もはっきりと感じられた。

 まさしく「新世代のF1日本GP」を感じさせてくれたレースだった。

【勝手にランキング3位:2006年】

 現地の盛り上がりという点では、いまだに2006年を上回るレースはないように思う。

 1987年から続いてきた鈴鹿での日本GPが、これを最後に見られなくなる(その後2年間の富士スピードウェイ開催を経て、2009年に再び鈴鹿へ戻ることになったのだが)。そしてホンダ、トヨタ、さらにスーパーアグリの参戦、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)もこの年かぎりでの引退を表明していて鈴鹿ラストランとなるなど、さまざまな話題があった。

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