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【F1】かつてのライバルたちが語る10代の角田裕毅「予選落ちした大会の文句ばかり言っていた(笑)」 (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro

 なんとかして角田に追いつき、追い越そうと試行錯誤した結果、こんなエピソードが生まれたという。

「富士スピードウェイでのレースだったんですけど、ストレートでスリップストリーム(※)を使えると、このサーキットでは0.4秒くらいタイムが縮まるんです。だからタイムアタックの時はそれを使えるように、富士の最終セクターでは『スリップストリームが使える相手』を探すんです。

 僕と裕毅は、お互いにそれを狙っていました。結果、練習走行の時に最終コーナーの手前で(お互いに牽制しあって)ほぼ一時停止するくらいのところまで減速させていました。

 でも、後ろにいるほかのクルマは、僕たちのスリップストリームを使いたい。だから、どんどん後ろにクルマが並んでいって、最終セクター前が渋滞して......(笑)。練習走行後、僕と角田はレース責任者に呼び出されて、『ヘアピン(ADVANコーナー)を立ち上がったら減速禁止!』と、めちゃくちゃ怒られました(苦笑)」

※スリップストリーム=前走車の真後ろにつくことで自車の空気抵抗を減らし、スピードが増す現象。レース中はこれを駆使して追い抜きを仕掛けることが多い。

「この時はピットの並び順的に、角田が最初にコースインするんです。だけど、彼としては周りを先に行かせたい。一方、僕たちは角田の後ろにつきたい......。そんな攻防戦が繰り広げられていました。

 FIA F4は僅差の戦いなので、とにかく使えるものは何でも使いたいんです。それで僕たちが考えた結果、最終コーナーでお互いに一時停止するという事態になりました(苦笑)」

 翌年の2019年には、ふたりともヨーロッパのレースに挑戦する。そこで名取は、角田の強さを間近で痛感した。

「やっぱり適応能力がすごい。FIA F3で一緒に走っていた時に感じました。海外は練習走行の時間が短くて、30分とか45分ほど走行しただけで、いきなり予選に突入します。そういう状況でも(角田は)ちゃんと上の順位にくるので『彼の速さはホンモノだな』と思いましたね」

 角田のレッドブル昇格について、名取は「裕毅は速いんで、レッドブルに行っても大丈夫だと思っています。日本GPは家で観る予定です!」と笑顔で語ってくれた。

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著者プロフィール

  • 吉田知弘

    吉田知弘 (よした・ともひろ)

    モータースポーツジャーナリスト。1984年12月19日生まれ、石川県出身。2011年よりスーパーGT、スーパーフォーミュラなど国内4輪レースを中心に取材。専門誌やweb媒体などで執筆中。日本モータースポーツ記者会所属。

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