【F1】角田裕毅はまたも戦略ミスで入賞ならず チームは「マシンの速さに浮かれて」欲を出した (3ページ目)
【最優先すべき目標がブレている】
角田は言葉を選んで言う。
「こういう戦略になった背景は、正直に言ってわからなくもないし、少し理解できるところもあります。おそらくハース(オコン)のことを意識しすぎてしまったのかなと思います。
レース前の時点では、ハードタイヤがここまでいいとは思っていませんでした。今日はスプリントレースの時ほどのレースペースがなく、ハースもけっこう速かったので、抜かれることを受け入れて8位か9位狙いに切り替えるべきだった。いずれにしても、フロントウイング(のダメージ)で終わってしまったのが残念です」
1ストップで走りきるのが難しいなら、前をいくストロールよりも先にピットインしなければ、最後まで彼に抑え込まれることになってしまう。そして後方からはオコンが迫り、先にピットインされれば、アンダーカットされる射程圏内に入られてしまう。
そんななかで積極的に自分たちから動いたことが、裏目に出てしまった。
しかし根本的な問題は、タイヤの磨耗や性能低下、ペース差をリアルタイムで正確に分析・把握できていないタイヤエンジニアリングの技術不足だ。その結果として、レーシングブルズだけが2ストップ作戦という間違った戦略選択をしてしまった。開幕戦オーストラリアGPも、昨年表彰台を逃したサンパウロGPも、このチームだけがほかと違うことをやって失敗している。
そして、2台のうち1台だけでも1ストップ作戦に賭けていれば、どちらに転んでも1台は入賞できたはずだった。角田をピットインさせたのは、オコンとストロールの前にとどまって中団トップを死守したいという、欲がまた出たからだ。マシンの速さに浮かれた結果、確実に入賞できる戦略を採るべしという、本当に最優先しなければいけない目標がブレた。
戦略ミスの内容はさまざまでも、本質的な意味では同じミスを繰り返している。その根本的な原因にメスを入れなければ、本当の意味での改善は果たせないだろう。
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