【F1】角田裕毅が「記憶から消したい」中国GP 2025年型マシンで苦手を克服できるか (2ページ目)
【マシンのペースはよかった事実】
「僕はピットインしたかったんですけど、あそこでピットインすべきでした。でも、チームとしてはステイアウトしてほしいという判断でした。
誰か相手を意識していたわけではないんですけど、あの時点では(後続勢とのギャップが縮まっていて)ピットインすると9位か10位に下がってしまうから、ピットインするにはもう遅すぎるという判断だったのかもしれません。
だからギャンブルをしてセーフティカーが出るとか、そういう可能性に賭けたのではないかと思います。そういう意味で(戦略不発がわかった時点で)今後はダメージを最小限にしていく必要があります」
だが、マシンのペースがよかったという間違いのない事実はある。それを次のレースで結果につなげられればいい。
ただし、今週末の中国GPは昨シーズンで一番、苦戦を強いられたサーキットだ。
「去年、ほかのサーキットに比べて上海が予想以上に悪かったのは、クルマに何か問題があったんじゃないかと思うんですが......。チームもいろいろと調べてくれましたが、あそこまで悪いのは、あのレースしかなかったです。
僕のドライビングが悪かったわけでもなく、予選のラップをうまくまとめきれていたと思っても18位だったので、思うようにマシンが機能していない感覚はありました。正直、あのレース週末は記憶から消して、今週末は新しいサーキットに入るような気分で臨んでいます」
しかし理論的にも、レーシングブルズのマシンは上海を苦手とする理由が揃っている。
メルボルンやバクーのように彼らが得意とするのは低速コーナーであり、それも90度コーナーが連続するサーキット。つまりターンインから旋回は45度で、その先はもう加速フェイズに入るというコーナーは得意としているが、グルリと長く回り込むようなコーナーは一貫して苦手としている。
その理由は、ブレーキングからステアリングを切ってコーナリングしている間のダウンフォース量が安定せず、ドライバーがマシン性能をフルに使いきることが難しいからだ。
2 / 3