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【F1】角田裕毅はベルギーGP最後方スタートでもあきらめない 名物「スパウェザー」を味方にできるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【中団グループ最上位で約3週間の夏休みに】

 路面のコンディションによって、ドライバーがスロットルペダルを踏む量と時間は刻々と変化してくる。結果、ハイブリッドシステムの必要とする電力量もどんどん変わってくる。それに合わせて常に最適な発電・放電のコントロールを行なわなければ、バッテリーが足りなくなって120kW(168馬力)のアシストが切れる時間が長くなり、大幅にタイムロスしてしまうのだ。

「コンディションによってスロットルの踏み方が全然違ってきてしまいますし、スパは1周がシーズンで一番長いサーキットで、エネルギーマネジメント(どこで発電しどこで使うかの設定)的には厳しいです。そんななかで金曜・土曜が雨で、決勝がいきなりドライだと、踏み方が全然違いますから、そこをどう予想するかが悩ましいところです」

 予選もウェットコンディションとなれば難しく、最も水量が少なくタイムが出やすいタイミングでアタックしなければ勝負にならなくなる。ドライの予選なら1周に狙いを定めてバッテリーをフルに使ってアシストするが、ウェットではタイミング重視で連続走行をすることもあり、それによって足りなくなるバッテリーをうまく配分して可能なかぎりタイムロスを小さくし、コンディションによる取り分のほうを大きくする工夫が必要になってくる。

 ウェット路面で果敢に攻めていくドライバーたちの妙技や度胸もさることながら、今の複雑なF1においては、背後にそれだけ大勢の人たちの努力と頭脳によって最高のアタックラップが生み出されているのだ。

 スパウェザーのなかでは、何が起るかわからない。そんなレース週末が終わると、F1は夏休みに入る。中団グループ最上位のチームとドライバーとしてシーズンを折り返すことを見据え、ベルギーGP週末に挑むRBと角田裕毅は何もあきらめてはいない。

著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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