角田裕毅、夏休み前の大きな「宿題」。アルファタウリのポテンシャルを最大限に引き出せるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

角田「怒り疲れてしまった」

 そのふたりが乗るアルファタウリは、1週間前の第12戦フランスGPでフロアやサイドポッドを大幅にアップデートし、一定の効果を見せた。

「FP1は前のスペックで走ってFP2から新しいスペックにしたんですが、マシンの違いは走り始めて最初のプッシュラップからすぐに感じることができました。中速、高速コーナーでのダウンフォース量の増加は感じられましたし、かなり大きな効果があったと思います」

そう語った角田裕毅はQ3に進出し、8番グリッドから決勝に臨んだものの、1周目にエステバン・オコン(アルピーヌ)に追突されて、マシンに大きなダメージを負ってしまった。

 フロアとサイドポッドが大きく壊れ、大幅にダウンフォースを失って途中でリタイアを余儀なくされてしまった。

「僕は十分にスペースを残していたんですが、彼がコーナーの進入でコントロールを失ってコーナーのなかで大きくアンダーステアを出して、そのまま僕のほうに突っ込んできました。正直言って、僕には何もできることはありませんでしたし、怒り疲れてしまいました」

 そう言って苦笑いした角田だったが、ずっと苦しみ続けてきたマシンのダウンフォース不足が改善されたのは、明らかにポジティブな要素だった。

 スペアがない状態で臨んでいただけに、ハンガリーGPまでに修復ができるのか心配されたが、アルファタウリはしっかりと新型パッケージをこの週末に間に合わせてきた。

「スペアパーツがありますし、フロアも新しいパーツです。なので、フランスGPでの事故は今週末のレースには何も影響はないですね。アップグレードパーツがハンガリーでもうまく機能してくれることを期待しています」

 ただしその一方で、ガスリーは金曜が好調だったものの土曜から原因不明のグリップ不足に苦しみ、まったくペースが上がらなくなってしまった。金曜がダメで土曜から改善した角田とは真逆だった。

 アルファタウリとしては、投入したアップグレードパッケージのポテンシャルをフルに引き出せたとは言えないフランスGPとなってしまった。だが、何が問題だったのかはある程度見えており、それを今週末のハンガリーGPでしっかりと検証するつもりだという。

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