角田裕毅「二度とあんなミスはしない」。シルバーストンで2年目の真価が問われる理由 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 だからこそ、事前の机上予想に囚われすぎず、レース週末のなかで目の前のマシンから最大限のパフォーマンスを引き出すことに集中するしかない。それがマシンを進歩させることにもつながると、角田は言う。

「予想以上にいい時もあれば、予想に反してすごくよくないときもあります。特に今週末は予想が難しい天気になりそうですし、何が起きるかわからないと思います。

 仮に予想よりもマシン挙動がイマイチだったとしても、その状況のなかで最大限のパフォーマンスを引き出すしかありません。エンジニアに最大限のフィードバックをすることが、今後に向けた開発につながると思っています」

 前戦カナダGPではまずまずのパフォーマンスが期待されたものの、角田は4基目のパワーユニット投入で最後尾スタート。同僚ピエール・ガスリーもFP3で2位につけていたものの、予選でブレーキトラブルに見舞われてQ1敗退。戦略ミスもあって、ふたりともにノーポイントに終わった。

 角田自身は、ピット出口でブレーキをロックアップさせてクラッシュするという苦い結果になってしまった。今年初めての大きなミスだが、自分のミスはしっかりと見つめ直せている。

「集中力を失っていて起きたことで、完全に僕のミスです。ピット出口であそこまでプッシュする必要はありませんでしたし、それ自体は小さなミスでした。あそこまではかなりいいペースで走れていただけに、ああいうかたちでレースが終わってしまったことは余計に残念でした」

 昨年のシーズン前半戦は、何度もクラッシュを繰り返し、そのたびに自信が揺らぎ、速さも失っていった。

 しかし、今年の角田はそんな負のスパイラルに陥る恐れはなさそうだ。

「去年のクラッシュとは別物だと思います。去年は純粋にドライビングがまずくてクラッシュしていました。いいタイムを出そうとして、プッシュしすぎてクラッシュをしていたんです。

 でも今回は、集中力を欠いたせいで犯したミスです。そういう意味ではバカげたミスでしたし、今年あんな大きなミスを犯したのは初めてでしたけど、間違いなく二度とあんなミスはしません。今後に向けていい学習にはなったと思います。

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