角田裕毅は昨年クラッシュしたモナコGPをどう攻める。ガスリー「ウォールにフレンチキスをしたら、それでおしまい」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

角田は新たなアイデアを用意

 ガスリーは続いて、こう語る。

「普通のサーキットなら、100%のペースで走り始めて、少し限界を超えてしまったら戻せばいい。スナップしたり、ロックアップして真っ直ぐ行ってしまっても、普通のサーキットなら問題ない。

 でもここでは、たとえばターン1のブレーキングが2メートル遅れたらアウトだ。5センチでもイン側に入りすぎれば、ウォールに当たってサスペンションが壊れる。

 だから、モナコGPのアプローチはいつもとは少し違って、95%からスタートしてラップごとにプッシュしていく。そうやって気持ちよく走れるようにビルドアップしていくんだ。そうじゃないと、モナコのナイフエッジのようなドライビングはできないよ」

 角田裕毅(アルファタウリ)はモナコ初挑戦となった昨年、FP2でクラッシュを喫して大きく勢いを失い、レース週末全体をフイにした。今年はその経験を生かして、成長ぶりを見せるつもりだ。

「モナコなのでほかと違った部分はありますし、去年の経験があるのでどういうアプローチをすべきかというアイデアもあります。ほかのサーキットでもFP3まで100%を出すことはありませんけど、もちろん最初は抑えていきます。

 でも、そんなに抑えすぎるわけにもいかない。去年の経験を生かしてどこまで抑えるかだったり、抑えるべきポイントは抑えてプッシュすべきポイントはプッシュする、という感じです」

 スペインGPでは重箱の隅を突くようにして10位入賞を掴み獲ったが、マシンのパフォーマンス不足は確かだった。それは、より低速サーキットのモナコでも変わらないだろうと角田は覚悟している。

「バルセロナでのバランスを見るかぎり、それが急に180度変わるようなことはないと僕は思っている。なので、厳しいだろうと覚悟はしています。モナコは特殊なセッティングをするので、バルセロナほど厳しい戦いになるかどうかはわからないです。だけど、クルマ自体にどこまでペースがあるか、普通とはまったく違うサーキットでどういう動きをするか、それは走ってみなければわからないと思います」

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