角田裕毅がベテランのような攻守の切り替え。エンジニアの予想を上回る速さで今季ベストレース

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

ミスを犯した1年前との違い

「今回のレースは特によかったなと思います。(自己最高4位の)去年のアブダビGPと並ぶくらい、いいレースだったと思います」

 角田自身も、そうレースを振り返った。

第4戦を制したのはレッドブルのフェルスタッペン第4戦を制したのはレッドブルのフェルスタッペンこの記事に関連する写真を見る 昨年は手痛いクラッシュを喫して、負のスパイラルに陥るきっかけとなったイモラ。しかし今年は、その負のスパイラルのなかでもがき苦しみながら学んだ成長を、しっかりと結果につなげることができた。

「自信の持ち方だったり、レース週末の組み立て方だったりだと思います。特にレースペースはかなりよくなっていると思います。去年のイモラの頃はまだ状況がコントロールできていませんでしたし、毎周限界までプッシュしていて、そのせいでミスを犯したりしていました。

 でも、そういった経験がドライバーとして学びを与えてくれて、成長させてくれました。それによってまた一歩前に進むことができたからこそ、今日こうしてポイントが獲得できたのだと思っています」

 そう言って角田は、観客席に来てくれたチームスタッフたちに感謝の気持ちを述べた。

 その表情は、もう新人のそれではなかった。角田裕毅はこれからひとりのF1ドライバーとして、さらなる飛躍を見せてくれる。そう強く確信させてくれた、エミリア・ロマーニャGPのレース週末だった。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る