角田裕毅を負のスパイラルに陥らせたクラッシュから1年。苦い思い出のイモラは「いいサーキット」に消化済み (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

初体験の18インチウエットタイヤ

 その背景には、バルセロナ合同テストの最終日に散水車を使ったウエットテストが行なわれたが、アルファタウリはここで1周も走行できなかったというハンディがあった。そのため、今回が18インチウエットタイヤの初体験であり、使いこなすのに苦労したというわけだ。

 しかし、土曜には25周のスプリントレースが待ち受け、その結果で決勝レースのスターティンググリッドが決まる。角田には乗り越えなければならない難関が、まだまだ待ち構えている。

「どんな天候になるかわかりませんけど、まだレースは終わったとは思っていませんし、レースでのバトルに自信を持って臨みたいと思います。今日、何がよくなかったのかしっかり分析して、明日に向けてインプルーブしたいと思います」

 昨年はここイモラの予選Q1でクラッシュを喫し、自分の自信が過信であることに気づかされた。そこからは自信を失い、攻めることができなくなって速さを失い、さらに自信を失う......という負のスパイラルに陥ってしまった。

 そんな苦い記憶のあるイモラだが、昨年1年を通してそれを乗り越えてきた角田のなかでは、すでにいい記憶へと消化済みだ。

「その負のスパイラルがいろんなことを教えてくれて、ドライバーとしてすごく成長させてくれたので、僕はポジティブに捉えて、ドライバーとして成長させてくれたいいサーキットだと思っています」

 今週末はその地元イモラで、2年目の成長をしっかりと見せてくれるはずだ。

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