ドリフトを見て人生が激変。「私も絶対にここで走る」と誓った女性が5年で競技最高峰のD1GPに参戦 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

「けっこうムキムキなんですが、もっと鍛えないと」

−デビューシーズンとなるD1GPの目標は?

下田
 ずっと憧れていた世界なので、先輩方の胸を借りる気持ちで思いっきり走るのみです。結果、今まで積み上げてきた自分の力がどのあたりにあるのか知ることもすごく楽しみですし、初めてドリフトを見た時の感動を私も皆さんに伝えられるようにしていきたいです。挑戦者であるため逆にプレッシャーが少ないので、楽しみですし、今の自分の力をフルに発揮できれば、それなりの結果は出るんじゃないかなと信じています。

−ライツとGPではそれぞれのマシンのスペックに違いがあり、求められるドライビングも異なりますよね?

下田
 今年からタイヤのレギュレーション(規定)が変わり、GPでは今までのライツで使っていたタイヤよりもスペックが劣るんです。タイヤのグリップが下がりますが、エンジンのパワーは上がるので、マシンのセットアップは大変です。ただドライビングに関しては、ライツの時代よりも肉体的には楽になるのかなと思っています。

 GPのマシンは約800馬力がありますが、タイヤのグリップは低い。ライツはパワーが約500馬力ですが、タイヤのグリップが高い。ドライビングの難易度は、グリップのあるクルマを思いっきり曲げるライツのほうが高いと感じています。ただGPのマシンはステアリングもギアなどの操作系が全部重い。それが私にとっては一番のネックです。シフトを入れるだけでも歯を食いしばっています。今でもけっこうムキムキなんですけど、もっと鍛えないといけませんね。

「自分の走りで誰かを元気づけたい」と下田「自分の走りで誰かを元気づけたい」と下田この記事に関連する写真を見る−パワーが課題でしょうか?

下田
 そうですね。でも筋力で補なうのは限界があるので、チームに要望を伝えて操作系を軽くしてもらってマシンでちょっと補なってもらう。あとはステアリングが重たかったりしたら、その瞬間、荷重をリアに乗せれば軽くなったりします。そういうドライビング技術も含めて、自分の身体、マシン、ドライビングのすべてを少しずつグレードアップして対応していきたいと思っています。

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