スーパーGTネクスト世代、最注目は「トヨタの秘蔵っ子」。22歳・宮田莉朋の夢は「日本人で一番速いドライバーになる」 (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

昨年の王者と互角のバトル

 そして、宮田の名がモータースポーツ界で大きく注目されたのが2020年。場所はスーパーフォーミュラ第2戦、岡山国際サーキットだ。

 世界耐久選手権のために欠場する中嶋一貴の代役として、宮田にスポット参戦の白羽の矢が立つと、ぶっつけ本番のレースでいきなり予選2番手を獲得。決勝ではポジションを下げるものの9位入賞を果たし、たちまち脚光を浴びることとなった。

 一方、スーパーGTではGT500クラスにステップアップを果たし、国本雄資とともにWedsSport ADVAN GR Supra(ナンバー19)をドライブ。2シーズン目となった昨年はポールポジションを2回獲得し、第4戦・もてぎでは前年チャンピオンの山本尚貴(STANLEY NSX-GT/ナンバー100)に対して一歩も引かないバトルを見せ、見事に2位表彰台を奪い取った。

 その成長カーブは順調な右肩上がりで、トヨタの次世代を担う逸材として今季の期待度は関係者の間でも非常に高い。だが、宮田は冷静にスーパーGTでの立ち位置を分析する。

「スーパーGTは、シングルシーター(フォーミュラカー)のように自分の力だけでチャンピオンを獲りにいけるようなカテゴリーではないです。特にタイヤがすごく重要な要素だと思っています」

 近年、スーパーGTのGT500クラスはブリヂストンが一歩リードしている感がある。だが、宮田はライバルメーカーのタイヤを履いて参戦することが多く、劣勢になる場面も少なくなかった。

 宮田は、カート時代の経験が自身の躍進につながるきっかけになったと語る。

「カートの頃からタイヤ開発をしてきた経験があったので、チームとドライバーがしっかりとタイヤ開発をすれば、時間はかかるかもしれないけど、勝つチャンスは必ずくると信じていました。

 GT500クラスで19号車に乗った昨年も、カートでの経験を生かしてタイヤ屋さんにリクエストを出してきました。それが結果として功を奏し、ポールポジションを2回獲得できました。そういう意味では、自分がやっていたことは正しかったのかなと思います」

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