角田裕毅、初めてのお祭りに興奮気味。3年ぶりのオーストラリアGPはチケット完売でコロナ前の熱気に戻った (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

グリップ不足に改善の糸口

 それだけでなく、タイトコーナーのイン側が大きく広げられて、緩やかな形状になった。

 これによってターン1は17km/hアップで183km/h、ターン6は7.5メートルも拡幅されて70km/hアップの219km/hで通過するコーナーになると予想されている。最後のストレートエンドであるターン11は、従来よりも奥まで行って深いターンアングルでタイトに曲がるコーナーになり、15メートル幅に広げることで複数のレーシングラインが可能になってバトルの可能性が広がっている。

 前戦サウジアラビアGPで角田は、予選・決勝ともにマシントラブルで走行することができなかった。だが、開幕戦バーレーンGPよりもマシンが進歩しているという手応えは掴んでいる。

「僕のフリー走行でのパフォーマンスも、予選・決勝でのピエール(ガスリー)のパフォーマンスも、ポジティブな兆候は見えました。ペースは間違いなくバーレーンの時よりもよくなっていましたし、FP1からコンペティティブでした。

 僕自身としても自信をビルドアップできていたので、そのあとにあんなことになってしまって残念です。でも、全体的にはポジティブな手応えを掴むことができましたし、オーストラリアGPに挑むのが楽しみです」

 開幕戦で感じていた高速コーナーでの全体的なグリップ不足、つまりダウンフォース不足は、サウジアラビアGPでは改善の糸口が見え始めていたという。

「やっぱり中速、高速コーナーでのダウンフォース量が、ほとんどのチームに少し劣っているかなというのは感じているので。裏の高速S字(ターン9〜10)とか、ターン1とかターン6では苦労するかも知れません。

 ただ、サウジアラビアではほとんどが高速コーナーというなかで割といいパフォーマンスが発揮できていたので、走ってみなければわからないです。(ダウンフォース不足で)スライドしていても、マシンバランスがよければそれなりに補えますから。今回もそんなに悪くなるとは思っていないですね」

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