今季F1序盤は「レッドブルvsフェラーリ」の2強構図。史上最速の市街地サーキットで真の勢力図は見えてくるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

巧みな戦略合戦を制するのは?

 今週末はバルセロナ(開幕前テスト)ともバーレーン(第1戦)ともまったく特性の異なるジェッダ・コーニッシュ・サーキット(第2戦)で、再びその真価が問われることになる。

「長いストレートが多くて、とても高速なサーキットだ。去年は湿度が高くて厳しかったけど、今年は少しセクター1の視界を向上させるための改良も加えられたというし、どうなっているか興味深いね。今年はクルマが少し重たくなっているけど、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ」(フェルスタッペン)

 ただし、フェラーリも余裕を持ってジェッダに臨むわけではない。

 開幕前テストから問題となってきたポーパシング(車体のバウンシング現象)は、「史上最速の市街地サーキット」と呼ばれるジェッダでは出やすくなると見られているからだ。

 ジェッダは実質的なストレートが多く、平均速度が250km/hを超えようかというレイアウトで、バウンシングが起きやすい速度域で走る時間が長い。それに加えて、市街地サーキットゆえに脚回りを硬くしづらいとなると、思いも寄らぬセットアップの妥協を強いられる可能性もあるからだ。

「バーレーンでは真っ直ぐなブレーキングばかりだからそれほど問題はなかったけど、今後もポーパシングが問題になるサーキットはあるだろうし、ジェッダでは僕が昨年クラッシュしたターン21など、かなりトリッキーな箇所もありそうだ。今後も改善努力が必要だろう。でも、バルセロナのテストから比べれば格段に改善されていることも事実だよ」(ルクレール)

 メルセデスAMGは現在のマシンが抱えている問題を今すぐに解決することは難しいと見られ、サウジアラビアGPも「レッドブル対フェラーリ」の2強対決になるだろう。

 バーレーンGPの展開を見るかぎり、両チームともそれぞれ2台のマシンを巧みに使って、2対2の戦略バトルを繰り広げていた。フェラーリはカルロス・サインツをピットインさせることで背後のセルジオ・ペレスもピットに呼び込み、ルクレールの壁になることを防いだ。逆にレッドブルもペレスをフェルスタッペンと同時にピットインさせることで、サインツをフェルスタッペンの壁にさせないよう動いていた。

 こうした白熱のバトルと戦略合戦は、サウジアラビアでも見ることができるはずだ。

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