角田裕毅に「2年目のジンクス」は心配なし。新生ホンダも2025年までサポート、再びF1参戦の可能性も? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 当初は自社ファクトリー内に新設したレッドブルパワートレインズで制御・運用を行なおうとしていた。だが、あまりに複雑な現代のパワーユニットはそう簡単に扱える代物ではないということがわかった。組み立てやベンチテスト等も特殊な技術屋設備がなければできないため、レッドブルパワートレインズはHRCに委託するかたちですべてホンダの手にパワーユニットを任せたというわけだ。

 マシンに描かれたロゴは控え目だが、実態は今までと変わらず、ホンダの面々はこれまでどおり勝利にこだわって全力で戦う。レッドブルとアルファタウリは今年も好成績を挙げていくことだろう。少なくとも、それが2025年までは続くことになりそうだ。

 気になるのは、パワーユニット規定が変わる2026年以降のこと。だが、名前は違えどもこうしてF1界にとどまり、最新の技術と触れ合い続けていれば、再びホンダ(もしくはHRC)としてF1に参戦する可能性もそれだけ大きくなる。

 F1撤退の理由となった「カーボンニュートラル時代に向けた革新技術の発明」に目処が立てば、その情熱と自由な発想のベクトルは再びF1という場に向けられてもおかしくはないだろう。

(6)今季唯一のルーキー、初の中国人ドライバー周冠宇

 今年はF1デビューを果たすルーキーがひとりしかない。昨年のFIA F2選手権を圧倒的な速さと強さで制したオスカー・ピアストリ(20歳/オーストラリア)は、所属するアルピーヌのシートが空いておらず、下位チームでキャリアを棒に振るリスクは避けてF1昇格を見送った。

 代わってF1デビューを果たすのが、同じアルピーヌ育成でFIA F2ランキング3位となった周冠宇(ジョウ・グァンユー/22歳/中国)だ。

 昨年の周はF1昇格を意識したレース運びが災いし、速さやバトルでピアストリに差をつけられる場面が目立った。しかし、所属ドライバーがそれぞれランキング1位・2位になったプレマに比べると、周が所属したUNIビルトゥオーシはチーム力で劣ってもいた点を忘れてはいけない。

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