角田裕毅に「2年目のジンクス」は心配なし。新生ホンダも2025年までサポート、再びF1参戦の可能性も? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 テストの結果としては、100点とは言えなかった。だが、そこから学んで開幕戦にしっかりと準備を整えることができれば、内容としては100点だったということになる。

 もちろん角田のシーズンの行方は、アルファタウリ自体のパフォーマンスに大きく左右されることになるだろう。フランツ・トスト代表は「我々が中団グループにいることは間違いない。今年はこれまで以上に大接戦となり、昨年見せていたような予選で4〜6位に入るようなことは難しくなるだろう」と予想している。

 ただ、マシンの勢力図がどうであろうと、ドライバーに課せられた使命はマシンの性能を最大限に引き出すことだ。

 そういう意味においては、角田裕毅が「2年目のジンクス」に直面する理由は今のところひとつも見当たらない。マシン性能に左右される"結果"はさておき、今シーズンの"内容"としては、昨年を大きく上回る成果を見せてくれるはずだ。

(5)新生HRCで戦うホンダの戦力・体制は?

 ホンダは2021年かぎりでF1から撤退した。しかし開幕前テストには、今までどおりホンダのメンバーたちの姿があった。

「レッドブルパワートレインズ」という名称ではあるが、パワーユニットの開発はHRC(ホンダ・レーシング)がすべて請け負い、製造・組み立てもHRD Sakuraを中心に従来どおりの場所で行なう。

 パワーユニットの制御セットアップも、レース現場では日本から出張で出向くHRCスタッフと、ホンダのミルトンキーンズ現地採用からレッドブルパワートレインズに移行したメンバーが半々で運用。より広範囲なテレメトリーデータの監視やセットアップ作業は、HRD Sakuraにあるミッションルームに詰めた数十人のエンジニアが行ない、レッドブルとアルファタウリに対して従来どおりワークスチームとしてのサポートを提供する。

 つまり、変わったのは名前だけで、実態は何も変わってはいない。

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