次の日本人F1ドライバーは誰か。20歳の歩夢と22歳の万璃音がF1直下カテゴリーに参戦 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by AFLO

 完全なる「ゼロコロナ」を目指して必要以上の対策をするというよりも、何をすれば感染拡大を抑えられるのか、重症化を避けられるのかを科学的に把握したうえで、合理的な対策をする方針だ。

 もちろんパドックでのマスク着用やバブル方式など、各国の規制以上のルールで感染拡大を防いでいる。ただしそのなかでも、たとえば適正にマスクを着用していれば15分以内の会話なら感染リスクはないという科学的知見を反映させて、「バブルのあり方」を見直している。

 つまり、「やってもいいこと」「やらなくてもいいこと」「やってはいけないこと」の線引きを、より現実的に引き直している。これによってF1は過去2年間のコロナ禍シーズン以上に、従来どおりのレースを展開していくつもりだ。

(8)2019年以来、3年ぶりの日本GP開催なるか?

「2019年以来、開催されていない日本GPが今年こそは復活するのか」

 日本のファンの期待は高まっている。それと同時に、不安もある。

 過去2年間もずっとそうだったが、問題は鈴鹿サーキットでもなく、F1でもなく、日本の入国規制だ。

 前項で説明したとおり、F1も欧米諸国もすでに新しいスタンダードに移行している。出入国にワクチンを接種していれば陰性証明や隔離期間は必要なく、新型コロナウイルスとの共存の仕方をここに定めていると言ってもいい。

 それに比べると、日本の入国規制はまだまだ厳しい。3月からかなり緩和されて外国人もビジネス目的の入国は再開しつつあるが、厚生労働省の水際対策は感染状況次第でいつ変更されるともしれず、世界各地を転戦するF1関係者の隔離措置なしでの入国を保証できない。

 この方針が8月まで変わらなければ、仮にその瞬間に入国が可能な状況であったとしても厳しい。10月の日本GPの時点で確実に入国し、すぐに準備作業に取りかかることができると保証できなければ、F1側としては中止リスクのあるグランプリは避けたいと考えるからだ。

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