レッドブル・ホンダ、ラストレースもフェルスタッペンの言葉に不安。「誰も望まない結末」だけは避けてもらいたい (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【ルールが公平ではない?】

 43周目のターン27についても、ハミルトンは直前にフェルスタッペンを抜いて前に出ており、入り口でマシンの大部分を並べることができていないフェルスタッペンに対してスペースを残す義務はない。そしてハミルトン自身は、ターン1のフェルスタッペンと違いコースの外へは飛び出していない。

 やはりルールを正しく理解していないのか、もしくは実際には理解していて、あのようなドライビングをするつもりはないものの、ハミルトンに対して引かない姿勢を見せてプレッシャーをかけようとしているのか。

 後者であれば、接触でタイトルが決まるといった、誰も望まない結末にはならないだろう。

 しかし、フェルスタッペンのジェスチャーを見るかぎり、そうではなさそうだ。

 様々な質問が記者たちから投げかけられるたびに、フェルスタッペンは自分だけが不当な扱いを受けているという主張を繰り返した。

「明らかなのは、ルールが全員に公平に適用されていないということだ。ディフェンスの仕方という点で、僕と同じことをやったドライバーがふたりいたけど、彼らはペナルティどころか審議の対象にもなっていない。ほかのドライバーと比べて、僕には違うルールが適用されていると思う。僕は自分に何をやっても構わないのかわかっているけど、ほかのドライバーには許されることが僕には許されないんだ」

 そして、サウジアラビアGPやサンパウロGPで取ったような戦い方のスタイルを変えるつもりはないと語った。

「ほかのドライバーたちと同じことが僕には適用されていない。彼らが(ペナルティが科されておらず)間違っていないのなら僕は間違ったことはしていないのだから、なぜ僕が何かを変えなければいけないんだろう? あのようなレースの仕方が彼らに許されるなら、全員に許されるべきだ」

 フェルスタッペンが例に挙げたひとつは、ランス・ストロール(アストンマーティン)とジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)の追い抜きシーンだ。

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