レッドブル・ホンダ、ラストレースもフェルスタッペンの言葉に不安。「誰も望まない結末」だけは避けてもらいたい (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【フェルスタッペンの主張は?】

 少々残念なのは、ここ数戦の荒れたレース内容で、マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンのタイトル争いの周辺に雑音が多いことだ。

 前戦サウジアラビアGPではフェルスタッペンの度重なる強引なドライビングの末に、両者が接触するアクシデントが発生して波紋を呼んだ。

 フェルスタッペンにはペナルティが科され、スチュワードは「違反」と断じたものの、フェルスタッペン自身はそれを「受け入れられない」としている点にも不安が残る。両者リタイアとなれば、同点ながら勝利数でフェルスタッペンが王座を獲得するとあって、過去に何度か演じられてきたような安易な決着は避けようと、FIAがポイント剥奪の可能性にも言及するまでの事態となった。

「レース週末を迎えるにあたって、ドライバーとしてそういうことは考えないよ。チームとともに全力を尽くすことと、もちろん勝つことだけを考えている。ふたりとも勝ちたいと思っているし、論争を呼ぶような裁定によってではなく、コース上でのアクションによってね」(フェルスタッペン)

 サウジアラビアGPのバトルに対する裁定を巡って、フェルスタッペンにはルールを正しく理解していないのではないかと思われる言動が多々見られた。

 そしてレースを多角度から見直し数日経った今でも、その考えに変わりはないとフェルスタッペンは明言した。

「間違ったことはしていないと思っている。僕らは2台ともターン1で白線を割ってコースオフし、僕のミスだと判断された。僕はそれに同意できない。もうひとつのペナルティ(ブレーキングに対する10秒加算ペナルティ)もだ。その点にも同意しない。

 その後、彼は僕を押し出したんだ(43周目のターン27)。彼はターンインしていかず、僕を白線の外に押し出した。でも、それに対して警告もなかった。間違いなくそれはおかしい。フェアではないよ」

 しかし、37周目のターン1でハミルトンがコースオフしたのは、フェルスタッペンのレイトブレーキングによって押し出されたからだ。フェルスタッペンはコース内に留まりきれないほどのブレーキング、つまりミスを犯したが、その飛び込みがなければハミルトンはコース内に留まることができるラインでターン1へと入って行けた。だから、フェルスタッペンの解釈は間違っている。

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