レッドブル・ホンダ、角田裕毅はどう攻略する? アメリカGPは予想外の勢力図を生み出すチャンス (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 しかし、二輪に比べれば四輪はバンプへの許容範囲が広く、そのバンプへの対応はネガティブ要素であると同時に、チャンスにもなり得る。

 通常のサーキットとは違い、空力最優先のガチガチに固めた脚回りにはできない。そこをいかにうまくこなし、最良の妥協点を見出すか。アルファタウリのようなチームにとって、それは予想外の勢力図を生み出すチャンスになると、ピエール・ガスリーは語る。

「僕は(バンプ問題を)ネガティブに捉えるつもりはない。マシンセットアップの面でまた違ったチャレンジだよ。スムーズなサーキットはどんなセットアップをすればいいかわかるけど、こういうバンピーなサーキットではいつもとは違い、妥協を含んだセットアップが必要になる。それがいつもと違う面白さをもたらしてくれると思っている」

 角田裕毅にとっては、初めてのサーキット・オブ・ジ・アメリカズだ。シミュレーターでじっくりとサーキット習熟を行なったうえで、やって来たという。

「トルコGPのあと、レッドブルのシミュレーターで2日ほど走行をしてきました。自宅のシミュレーターでもエンジニアと一緒に、かなりの周回数を走り込みました。

『iRacing』を使っていて、それ自体はとてもいいんですが、シートポジションが悪いのかステアリングを切るとドライバーの腕が大きくてエイペックスが見えなくて......。いつもソーセージ縁石をヒットしてクルマを壊してしまい、すごくストレスが溜まりました(苦笑)。

 でも、準備はうまく行きました。実際に走るのが楽しみです。トラックウォークをした感じでは、セクター1は鈴鹿に似ているなと感じました」

 前戦トルコGPではハミルトンを抑え込み、それによって得たものもあった。だが、スピンを喫してしまい、それ以降はペースが上げられずにポイントを逃し、不本意なレースとなってしまった。

 ハミルトンを抑えてフェルスタッペンの選手権リードに貢献したとはいえ、角田自身はチームに対して謝罪の言葉を重ね、マシンを止めたあとに拳でステアリングを殴りつけた。チームのためにポイントを持ち帰るという、最も目指していた仕事が果たせなかった自分への怒りがあふれていた。

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